成長見せたチェン シリーズ初登板で初勝利

[ 2010年11月1日 06:00 ]

<中・ロ>2回、打球の行方を指差すチェン。帽子のひさしには「気」の文字

 【中日12―1ロッテ】気持ちは高ぶったままの中日・チェンが、お立ち台で思わず本音を漏らした。「谷繁さんから飛ばしていけと言われ、自分の中でも打たれたらしようがないと思って飛ばしていった。(緊張は)まだ抜けてないですね」。シリーズ初登板初勝利に会心の笑みを浮かべた。

 立ち上がりからエンジン全開だった。「最初の打者を出したくない」と西岡を外角低めに決まる151キロの直球で投ゴロに仕留めるなど初回は13球中12球が直球で3者凡退。2回2死から金泰均に13球粘られて直球を中前打も、里崎を147キロの直球で空振り三振。力でねじ伏せてペースをつかんだ。打撃でも3回にダメ押しの口火を切る左翼線二塁打。6回1失点の好投で期待に応えた。
 チームが日本一に輝いた07年は育成選手だった。日本シリーズの最中も練習に明け暮れ、最後の勝利の瞬間も寮のテレビで観戦。「まさか自分が投げられると思ってなかった」と遠い存在だった。昨季は防御率1・54でタイトル獲得も、CSでは未勝利。勝負弱いというレッテルを張られ、このままで終われなかった。今季は防御率2・87も短期決戦で成長の跡を見せた。20日の巨人とのCSファイナルS第1戦(ナゴヤD)で6回2/3無失点。地元・名古屋で連敗できないシリーズ2戦目も白星をたぐり寄せた。
 「(次回登板も)自分の投球を見せられるようにしたい」。大仕事を果たした左のエースの表情は自信に満ちあふれていた。
 ▼中日・河原(巨人時代の02年以来となる日本シリーズ登板)CSから少し間隔が空いていたが、しっかり投げられた。制球の感覚を確認できた。
 ▼ロッテ・金森打撃コーチ チェンはさすがいいピッチャー。次は打てるように頑張ります。
 ≪浅尾&岩瀬が盤石の継投≫今シリーズともに初登板となる浅尾、岩瀬が大差の9回に登場し、そろって危なげない投球を見せた。今江を二飛、金泰均は二ゴロに打ち取った浅尾は「CSよりは緊張しなかった。投げないより投げたほうがいい」と初の大舞台を経験できたことを収穫に挙げた。岩瀬も最後の打者を仕留め「接戦になったらまた違った緊張感が出てくる。次に生かせるからいい」と話した。

続きを表示

2010年11月1日のニュース