救世主!ルイス103球で初勝利「鳥肌が立つ」

[ 2010年11月1日 06:00 ]

ジャイアンツ戦に先発、7回2/3を5安打でポストシーズン3勝目を挙げたレンジャーズのルイス

 ワールドシリーズは30日(日本時間31日)、第3戦が行われ、レンジャーズは、元広島のコルビー・ルイス投手(31)が7回2/3を5安打2失点と好投し、4―2で勝利。対戦成績を1勝2敗とした。ルイスはスライダーの球速を自在に操り、2戦計20得点のジ軍打線を翻ろうし、今ポストシーズンは3勝0敗。広島時代に磨いた制球力で、球団史上初のワールドシリーズ勝利を呼び込んだ。

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 94年の球場オープン以来、最多となる5万2419人の観衆がスタンディングオベーションで迎えた。8回2死一塁でマウンドを降りるルイスに「コルビー!」「コルビー!」の大合唱。103球は連敗スタートのチームの窮地を救った。
 「今考えても鳥肌が立つ。大勢の人が自分とレンジャーズのプレーを見てくれている。日本にいた時はこんな機会を得られるとは思わなかった」
 過去105回のワールドシリーズで3連敗からの逆転Vはない。だが、ルイスに重圧はなかった。「日本でも鳴り物入りの大音量の声援は経験していた。重圧は家族を連れて日本に向かう際にも感じていたからね」と笑う。広島での2年間(08~09年)の経験があったからこそ、異様な雰囲気で自らの投球を貫けた。
 「ヤンキース戦ではカーブが大事だと思っていたけど、きょうはスライダーを多く使った。有効に使うことができた」。速球は140キロ前後で、変化球もスライダー、カーブ、チェンジアップだけ。だが、全球の約36%に当たる37球投じたスライダーは80~85マイル(約129~137キロ)で自在に球速を変えられる。速球と5キロ前後しかない球速差は普段対戦のないジ軍にとって魔球だった。すべてスライダーで3三振の5番バレルは「お手上げだ」とうめいた。
 投球術に加え、この日は71・8%のストライク率を記録。03年のレ軍在籍時に10勝したが、力任せで防御率は7・30だった。当時を知る三塁手ヤングは「日本から戻って制球が格段に良くなっている。投球に意図を感じるから守っていてうれしい」と絶賛する。
 ポストシーズンは3勝0敗、防御率1・71。リーグ優勝決定シリーズでヤンキース相手に2勝し、球団史上初のワールドシリーズ1勝を呼んだ右腕は「ホームに戻って勢いがこちらに戻ってきた感じがする」と言った。次戦は第7戦の大一番に先発予定。今のルイスなら、大役も安心して任せることができる。
 ≪周囲の助言聞き入れ投球の幅広げた≫広島時代にバッテリーを組んだ倉がルイスの変身ぶりを語った。「最初はガンガン速い球を投げていて、それが持ち味だと言っていたが、スライダーやカーブに磨きをかけてからよくなった。そういう球が有効だと、こちらから言ったこともある。徐々にピッチングスタイルを変えていった」と振り返った。また、畝スコアラーは「2年目(09年)の春先に肩の開きが早いことを指摘して、一緒に直したことがあった。アドバイスを聞き入れる姿勢もあった」と証言。素直に周囲のアドバイスを聞き入れる姿勢が投球の幅を広げる要因となった。

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2010年11月1日のニュース