秋山 Vへの救世主!虎史上4人目の高卒新人1勝

[ 2010年8月29日 06:00 ]

<ヤ・神>3回2死満塁、川端を三振に打ち取った阪神・秋山はガッツポーズ

 【阪神9―2ヤクルト】阪神が救世主ルーキーの快投で、3日ぶりに首位に返り咲いた。高卒新人、秋山拓巳投手(19)が28日、2度目の先発となったヤクルト戦で5回を1失点に抑え、プロ初勝利を挙げた。阪神の高卒新人が1年目で勝利を挙げるのはドラフト制以降では江夏豊氏(野球評論家)らを含め史上4人目。先発投手陣の不調が続く阪神にあって、秋山が優勝への使者となる。

【試合結果


 強気。崖っ縁に追い込まれた場面で、秋山本来の持ち味が顔を出した。2回、1―1の同点に追いつかれ、なお2死満塁。フルカウントから思い切り腕を振って、田中を144キロ直球で右飛に仕留めた。城島が構えたミットは外角。力が入った分、ボールは内角に行った。強い気持ちが、打球を飛ばさせなかった。
 「ほんと、凄くうれしい。もっと長いイニングを投げたかったけど、試合がつくれてよかったです」。1メートル86、92キロと恵まれた体格のイケメンは、真っ白い歯を見せながら顔をほころばせた。高卒新人投手の白星は、今季セ・リーグ一番乗り。3回も2死満塁としたが無失点。「自分でつくったピンチ。どうしても抑えたかった」。5回5安打1失点。勝利の瞬間をベンチで迎えると、19歳らしい笑顔を見せた。
 「要所要所を悪いなりに、しっかりと抑えてくれたのが大きい」。真弓監督も孝行息子の出現を喜んだ。この日まで今月のチーム防御率は5・94。8試合ぶりに先発投手に白星がつき、チームは3日ぶりに首位復帰だ。その原動力となった秋山は「自分でも信じられない立場(1軍)にいる。ここにいることを感謝したい」。それでも「1年目、ということを言い訳にはしません」と最後も強気な顔をのぞかせた。5年ぶりのリーグVへ向かう最終コーナーで、肝っ玉ルーキーが現れた。

 ◆秋山 拓巳(あきやま・たくみ)1991年(平3)4月26日、香川県生まれの19歳。小1から野球を始め、愛媛に引っ越した3年から西条リトル、中学は西条シニアに所属。西条では1年秋からエースを務め、3年センバツは1回戦、夏の甲子園は2回戦敗退。打っては高校通算48本塁打で「伊予ゴジラ」の異名を取った。09年ドラフト4位で阪神入団。1メートル86、92キロ。右投げ左打ち。背番号27、血液型A。

続きを表示

2010年8月29日のニュース