石田零封!“日産魂”で住金鹿島5年ぶり白星

[ 2010年8月29日 06:00 ]

<九州三菱自動車・住友金属鹿島>住友金属鹿島先発・石田は7回1/3を4安打無失点と好投

 第81回都市対抗野球大会は28日、東京ドームで1回戦3試合が行われた。第1試合では、住友金属鹿島(鹿島市)は石田祐介投手(28)が7回1/3を無失点と好投し九州三菱自動車(福岡市)に2―1と競り勝ち、3年ぶり出場で5年ぶりの白星をマークした。第2試合では、トヨタ自動車(豊田市)が、元阪神の的場寛一一塁手(33)の延長10回決勝アーチで三菱重工神戸(神戸市)を下し、2回戦に進出した。29日も1回戦3試合が行われる。

【試合結果


 1点リードの6回2死一、二塁。石田がフルカウントから4番の中村をチェンジアップで空振り三振に仕留めた。ヤマ場を乗り越え、右腕に安どの表情が浮かんだ。
 「四球を気をつけました。最後までと思いましたけど補強選手もいる」。1―0の8回1死、左打者の1番谷本を迎えたところで降板。7回1/3を4安打無失点。マウンドを降りる「ルーキー」に住友金属鹿島の応援席から惜しみない拍手が送られた。打線も応え、同点の9回に8番福盛が決勝の右前適時打。5年ぶりの初戦突破だった。

 昨年は日産自動車のエースとして出場したが、昨年限りで休部。最後の都市対抗をエースとして4強に導くと、新天地を求めて退社した。それでも「日産魂は捨ててない」という。バラバラになった仲間たちとは今も連帯する。
 6月の北関東最終予選。イニング間のキャッチボール中、フェンス越しに聞き慣れた怒鳴り声が飛んできた。「おまえ何やってんだ。しっかり投げろ」。昨年まで指導を受けていた久保恭久元監督(49、現パナソニック副部長)だった。怒られたけどうれしかった。今大会に出場している元日産自動車のメンバーは10人。大会前には連絡を取り合い、健闘を誓い合った。
 鹿嶋市内の寮の一室には、日産自動車時代に応援団がつくってくれた「11 石田祐介」と記された赤色の大きな横断幕が飾ってある。背番号11は昨季までと同じ。ユニホームは赤から青に変わったが、目的は変わらない。住金でも勝つ。それが昔の仲間を勇気づけることを、石田は分かっている。
 ◆石田 祐介(いしだ・ゆうすけ)1982年(昭57)6月29日、埼玉県生まれの28歳。東野小3年から野球を始め、中学では新座シニアで投手と遊撃手。淑徳では3年夏の東東京大会は4回戦敗退。東京国際大では、東京新大学野球リーグで1年秋に新人王と最優勝投手賞、最優秀防御率賞を受賞。05年に日産自動車に入社。今季から住友金属鹿島に所属。1メートル80、81キロ。右投げ右打ち。

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2010年8月29日のニュース