阿部２発！６月１２発でリーグトップに

２本塁打を放ち、お立ち台でポーズをとる巨人・阿部

　【巨人１１－２横浜】巨人の阿部は、中途半端なスイングだけはしないようにと心に決めていた。三回、勝ち越しの好機で打席に。「球種にかかわらず初球から思い切って振ろう」。初球、気力の乗り移ったバットで右翼席に３ランを運んだ。

　二回に投ゴロ併殺打に仕留められたのと同じ変化球をとらえた。外角低めへ沈んでいく球だ。泳ぎそうになりながら、ぐっとこらえて対応した。阿部の粘り強い「二枚腰」が生んだ一発だった。
　五回はその球を右中間二塁打にしてチャンスを広げ、５点の足掛かりをつくった。六回には甘く入ったスライダーを確実にとらえ、右翼席上段に豪快な一発を打ち込んだ。リーグトップに立つ２４号に「自分でも怖いくらい」と目を丸くした。
　６月の本塁打は１２本。月間１２発以上は３度目になる。昨季、原監督からリーダーの自覚のなさを叱咤されている。体のケアを怠ったために腰を痛めたからだった。今季は全試合出場を自らに課し、クリアするために体調管理を徹底。「好調の要因は体調の良さ。嫁、トレーナー、裏方さんに助けられている」。芽生えた自覚が本塁打数と感謝の言葉に表れている。