中島 “力と技”で7年連続2ケタ本塁打

[ 2010年6月26日 06:00 ]

<西・オ>ビクトリーロードで、涌井(右)を突き落とそうとする西武・中島

 【西武7―3オリックス】西武・中島らしい放物線を描いた打球が、右翼席で弾んだ。1点を追う3回1死二、三塁。左腕・山本の外角直球を力と技で仕留めた。12試合ぶりの今季10号で7年連続2ケタ本塁打をマークした。

 今季10本の内訳は右方向6、中堅4。引っ張った本塁打がないことに「今年はそうですね。毎年センターから右が多いですけど、左方向が1本もないのは珍しいです」。本人も首をかしげるが、数年前からの取り組みが結実している証拠でもある。
 試合前のフリー打撃。中島は右投手には引っ張り、左投手には流し打つ。理由はシンプルだ。「引っ張ってばかりだと面白くない。ドライブ回転するし。左投手が投げる軌道に対してどうやってバットを出したら逆方向へ飛距離が出るか。それを考えながらやっていますね」。腕が伸びきらないポイントで、逆方向へ飛ばす。求めてきたのは、このスイングだった。
 試合展開と状況も、逆方向への一打につながった。「最低でも犠飛と思って。向こう(右方向)の方が打球が上がる確率が高いので」。左投手に対し、練習通りのスイングに徹した結果が、オーバーフェンスになった。
 昨年12月、生まれ育った伊丹で野球教室を開いた。「中島さんみたいなバッティングはどうやって練習すればできますか?」。目を輝かせる野球少年への回答はこうだった。「力のない君たちだって引っ張った打球は飛ぶやろ。一番難しいのはセンターから右に飛ばすこと。どうやったら飛んでいくか。それを考えて練習しよう」。日本人離れした逆への飛距離。中島の右打ちが、チームを2年ぶりの首位ターンに導いた。

 ≪“ギラギラ”本田に共感≫中島はサッカー日本代表の本田について「1人だけ目がギラギラしていますし、いいな、と思いますね。自分を表現できているという感じでした」と共感を覚えた様子。デンマーク戦をテレビで観戦したことを明かし「きょうは寝不足なので、帰って寝ます」と笑顔で球場を後にした。

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2010年6月26日のニュース