“野球人”失格…独立L大阪で8人が野球賭博

[ 2010年6月26日 06:00 ]

野球賭博に関する記者会見でうなだれる大阪ゴールドビリケーンズの(右から)宮本高明代表、村上隆行監督、石毛博史コーチ

 大阪ゴールドビリケーンズの宮本高明代表取締役(33)と、村上隆行監督(44)は大阪市住之江区の球団事務所で緊急会見。野球賭博に関与していた8選手の契約を解除したこと、既にそのうち数人が警察の事情聴取を受けたことなどを明らかにした。「ほかの選手はまじめに野球に取り組んでいる。指導を今後も続けないといけないと思う」と話す村上監督の目には涙。「絶対に許してはいけないこと。裏切られた」と続けた。

 宮本代表によると、16日に村上監督に対し「選手が賭博に関与している」との電話が入ったことが発端。翌17日に調査を開始し、8人が名乗り出たため、19日に契約解除。22日に警察に届け出たという。また、賭博の対象としたのは日本野球機構(NPB)の試合で、同リーグの試合ではなかったとしたが賭博の額や時期、関与した選手の氏名、年齢などについては「捜査中なので控えさせてください」(宮本代表)。暴力団など反社会的組織が介在しているかについても明らかにしなかった。同リーグに所属する三重スリーアローズは25日の四国・九州アイランドリーグ・愛媛との交流戦は予定通りに行ったが今後のリーグ運営の見通しは立っていない。
 現在、国内にはJFBLなど5つの独立リーグ(女子リーグ含む)が存在し、その所属選手の多くがNPB入りを夢見ている。そんな独立リーグの選手がNPBの試合を賭博の対象としていた。大阪は全所属選手20人中、8人が契約を解除され、リーグ存続の危機に立つ。さらにはこの事件が、NPBへの選手供給源としても期待される独立リーグ全体に与えるダメージも計り知れない。

 ▼関西独立リーグ・鳥居厚生代表(昨季まで大阪ゴールドビリケーンズが所属)自分らに泥を塗るようなことで残念。ましてや経営が厳しい中でもっとサポーターが減ってしまう。
 ▼四国・九州アイランドリーグ・鍵山誠CEO(JFBLと交流戦を開催)自分たちが目指しているNPBを対象にしていたということで憤りを感じる。
 ▼日本女子プロ野球機構・片桐諭代表 早急に情報を共有して、自分たちの使命を再確認したい。
 ▽ジャパン・フューチャーベースボールリーグ(JFBL) 関西独立リーグ加入を予定しながら、昨年10月に撤回した三重スリーアローズと、同リーグを脱退した大阪ゴールドビリケーンズによる独立リーグ。今年4月に開幕し、四国・九州アイランドリーグとの交流戦を含めて54試合の公式戦を行う予定だった。JFBL所属選手の給与は月額10万~40万円+出来高。契約期間は9カ月で、アルバイトも認められている。大阪の監督は元近鉄の村上隆行氏。投手コーチを元巨人の石毛博史、打撃コーチを元日本ハムの西浦克拓の両氏が務める。

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2010年6月26日のニュース