ベンチ総動員!負けても野村監督「ウチらしい展開」

[ 2010年4月25日 06:00 ]

8回、右越えに2ランを放った嶋を出迎える野村監督(左から2人目)ら

 【広島4-7巨人】勝ちたい試合だった。開幕から10試合連続無失点だった高橋を8回に投入したが、まさかの5失点。逆転負けを喫した野村監督は「ウチの勝ちパターンだったが、それを上回る打撃をされた。また切り替えてやるだけです」と前を向いた。

 「(木村コーチのことは)頭の片隅にあった。申し訳ない」。ナインが喪章をつけて臨んだ試合。高橋も特別な気持ちで戦っていた。広島に入団した95年に木村コーチが日本ハムから移籍。かつての仲間の追悼試合で喫した今季初黒星に肩を落とした。
 この日午前、都内で開かれた「お別れの会」にチーム関係者全員が参列。試合前、野村監督は「私も監督となって、ベンチにいる選手の大切さというのをあらためて感じています」と話した。現役時代、ユーティリティープレーヤーとして活躍した木村コーチへの思いは采配にも表れていた。
 1点を追う7回、1死から代打・ヒューバーが四球。青木高の代打・嶋に対して巨人が山口を投入すると、代打の代打に会沢を送った。会沢の中前打で一、三塁。三塁走者に俊足の中東を起用し相手内野陣に前進守備を敷かせ、東出が三遊間に同点適時打を運んだ。9回に適時二塁打を放った石井はベンチに残っていた最後の野手だった。
 ベンチ組を総動員しての試合。「負けていい試合はないが、ウチらしい展開が終盤までできた」と野村監督は言った。東京ドームで躍動した赤いユニホームを、天国の木村コーチも笑顔で見届けたに違いない。

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2010年4月25日のニュース