長かった…小椋、つかんだ12年目の先発初勝利!

[ 2010年4月25日 06:00 ]

試合後にベンチ前でナインを出迎える小椋

 【ソフトバンク4-3ロッテ】プロ12年目での先発初勝利が決まった瞬間、ベンチのソフトバンク・小椋は目を閉じ、喜びをかみしめた。

 「中継ぎ(での勝利)のときもうれしかったけど、きょうもうれしい」
 02年8月4日の西武戦(福岡ドーム)以来、2820日ぶりの先発。首位ロッテを相手に「失うものはない」と自分の投球だけに集中した。失策絡みで1点を失った3回、なおも2死満塁で「きょうは良かった」というチェンジアップで今岡を遊ゴロに仕留めた。5回2安打1失点。毎回の7四球も、結果的に荒れ球が的を絞らせなかった。
 98年に福岡工大付からドラフト3位で入団。150キロを超える直球を操り「松坂世代最強の左腕」と期待されたが、プロの壁は厚かった。社会人、大学から入ってきた同僚の杉内や和田ら同世代の左腕が活躍。07年には首脳陣から横手投げ転向の打診も受けた。08年に中継ぎで3勝を挙げたが、昨年は左足首の骨きょく除去手術を受け、わずか1試合の登板に終わった。
 同世代の選手が華々しい活躍を見せる中で「野球をさせてもらえるか分からない」と戦力外を覚悟した時期もあったという。そんな苦労を知っているだけに、杉内や和田も小椋が12年目でつかんだ先発勝利を自分のことのように喜んだ。
 遅咲き左腕の活躍でチームは今季初の貯金3とし3位に浮上した。秋山監督は「1つ勝ったことでこれから期待できるんじゃないか」と次戦も示唆。5月1日のロッテ戦(ヤフードーム)での先発が濃厚だ。

 <松坂世代、先発未勝利はあと4人>「松坂世代(80年度生まれ)」の現役投手は小椋、大リーガーの松坂(レッドソックス)を含め24人。うち高卒でプロ入りしたのは松坂、藤川(神)と小椋だけだ。小椋が先発で初勝利し、残る先発未勝利の投手は長田(西)、橋本(ロ)、小林(中)、松本(ロ)の4人となる。

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2010年4月25日のニュース