前田智16年ぶりサヨナラ打!勝負どころで大仕事

[ 2010年4月16日 21:51 ]

9回広島1死満塁、中前にサヨナラ打を放ち、緒方コーチ(右)に祝福される代打前田智

 【広島4-3中日】広島が今季2度目のサヨナラ勝ち。9回1死から2安打と四球で満塁とし、代打前田智が中前打した。前田は「何とかしたいという気持ちだった」と語った。先発小松は6回3失点。7回以降を継投でしのぎ、4番手の高橋が2勝目。高橋はこの日が41歳の誕生日。中日は6回以降毎回走者を出しながら、好機をつぶした。

 3―3の9回1死一、二塁。広島の背番号「1」がネクストバッターズサークルに姿を現した。球場のボルテージは一気に上がり、打席の梵は右前打でつないだ。満塁。舞台は整った。観客の大声援を受け、最後は期待通りに前田智が決めた。

 151キロの初球をファウルし、次は変化球に体勢を崩されて空振り。追い込まれたが、3球目のチェンジアップに食らい付いた。打球は高く跳ね上がり、中前へ抜けた。まだ肌寒さの残る夜、ナインから水を掛けられる手洗い祝福を受けた。

 プロ21年目のベテランも、サヨナラ打は実に16年ぶり。「(球の)速い投手は見ていなかったので、適当に。けがばかりしていたけれど、この場に帰って来られてうれしい」。興奮とともに恥ずかしさもあったのか、マツダスタジアムでの初めてのお立ち台で、照れたような笑みを浮かべた。

 下半身の故障で出場のなかった昨季は、チームにとっても勝負どころを任せられる存在がいなかった。「与えられた場所があるというのはありがたいこと」と前田智。代打の切り札として復活した38歳は今季、ここ一番に備えてベンチでにらみを利かす。

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2010年4月16日のニュース