古巣ヤンキース完ぺき松井秀封じ!3空振り三振も

[ 2010年4月16日 06:00 ]

9回2死、この日3つめの空振り三振に倒れる松井秀

 【ヤンキース3-5エンゼルス】赤ゴジラが苦しめられている。エンゼルス・松井秀喜外野手(35)は14日(日本時間15日)、ヤンキース戦に4番・DHで出場も4打数3三振で無安打。7年ぶりとなる1試合3空振り三振を喫するなど、これで10日のアスレチックス戦でサヨナラ打を放って以来3試合14打席連続無安打だ。新天地で好調な滑り出しを見せた松井に対して、すべてを知り尽くした古巣・ヤ軍が講じた対策とは――。

【試合結果


 ヤンキースのジラルディ監督は、松井を抑えた秘けつを聞かれるとニヤリとした。「今回はしっかりプランを練ったし、この2試合はプラン通り投げている」。敗戦にも、エ軍の主軸を2試合とも封じた収穫を喜んだ。

 キーワードは(1)ストライク先行(2)内外角の揺さぶり(3)仕上げはボール球、の3つ。

 松井の打撃スタイルはボール球に手を出さず、甘い球をじっくり待ち、内角に強いのが特長だ。7年間在籍したヤ軍も熟知している。「この球場で松井の右翼への大きな本塁打を何度も見ている。内角は危険」とジラルディ監督。内角は基本的に見せ球にした。2試合計9打席、厳しいコースで初球ストライクを奪った。3球目までに追い込んで松井の焦りを誘う。この試合で2三振を奪ったバスケスも「ポイントは早いカウントで追い込めたこと」と振り返る。

 開幕カードのツインズ戦は全53球中4球、アスレチックス戦は全50球1球しかボール球に手を出さなかった。それがこの2試合は42球中10球もボール球を振りにいった。選球眼のいい松井でも、追い込まれれば少々際どいコースは手を出さざるを得ない。03年4月27日レンジャーズ戦以来7年ぶりの1試合3つの空振り三振を喫した松井は「最後はそういう球に振らされている。もちろん(自分を)知り尽くしているでしょうけど、そこにちゃんと投げている。いいところを攻められている」と戦略と技術の高さを認めた。

 ヤ軍はエ軍の開幕カードに2人の先乗りスコアラーを派遣していた。チーム挙げての赤ゴジラ対策がここまでは実っている。ソーシア監督は気候条件なども考慮し「負担があるから」と3連戦で守備に就かせるプランを変更した。それも打撃に専念させるためだ。「調子が落ちているというか、自分が(球に)ついていけない」。松井が古巣に苦しめられている。

 <エンゼルス ピネイロが今季初勝利>エンゼルスの先発ピネイロが、重量打線相手に7回1失点で今季初勝利。「低めに投げることを心掛けて、球もよく動いてくれた」と振り返った。マリナーズ、レッドソックス、カージナルスと渡り歩いて今季から加入。「日本人のチームメートは10人目(マック鈴木、佐々木、イチロー、長谷川、木田、城島、松坂、岡島、田口)。松井と一緒にプレーできて光栄。一緒にワールドシリーズに出たい」と話す昨季15勝右腕も相手4番のロドリゲスから3つの空振り三振を奪い、松井の敵を討った。

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2010年4月16日のニュース