松井秀 あの日以来の一撃も浸らず

[ 2010年4月16日 13:00 ]

 4試合、15打席ぶりの安打は松井秀らしい豪快な一撃となった。二回、右中間に弧を描く先制の3号ソロは、世界一をつかんだ昨年のワールドシリーズ第6戦以来となるヤンキースタジアムでの本塁打。古巣への感傷を否定し「普段通りに戦うだけ」と繰り返した言葉をようやく実践した。

 試合前に感動的なワールドシリーズ優勝リング授与式があった初戦は過度に力んだ。手の内を知る相手捕手ポサダの配球にも戸惑い、前日は腰の入ったスイングができなかった。「平常心が一番大事。そうでなければ状況を把握できない」。心に平静を取り戻すことが肝要と分かっていた。
 4番として信条とする「好球必打」で結果を出した。ダイヤモンドを回るとき、敵地ながら歓声が起こったが「うれしいですね」と感じても浸らなかった。八回は左前打。追い込まれてから際どい球をファウルし、甘い球を呼び込んだ。
 この3連戦は11打数2安打。「チームとしての状態の差もあるんでしょうが強い」と感じた古巣を来週には地元アナハイムで迎え撃つ。「この経験をどう生かすかでしょう」と鋭い視線で再戦を見据えた。

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2010年4月16日のニュース