稲尾降臨?155キロ!マー君 圧巻ストッパー

[ 2009年7月21日 06:00 ]

<ソ・楽>9回、リリーフで3人で抑え吠える田中将大

 【楽天4-3ソフトバンク】炎のストッパーだ。楽天・田中将大投手(20)が20日のソフトバンク12回戦(ヤフードーム)で1点リードの9回に救援登板。17日のオリックス戦(Kスタ宮城)で142球を投げてから中2日での強行軍だったが、自己最速の155キロをマークして2三振を含む3者凡退に抑え、昨年6月22日以来のプロ通算2セーブ目を挙げた。田中の圧巻の投球で、チームは約1カ月ぶりの3連勝を飾った。

【試合結果


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 田中のその1球にスタンドはどよめき、次に一瞬の静寂が訪れた。9回2死。田上へ投じた5球目の直球はこれまでの自己最速を2キロ更新する155キロを計測した。

 「おっ、55だ、と思いました。(周囲の)驚きが快感でもあった。1イニングなので、とにかく自分の球を信じ、思い切り投げた」

 1点リードの9回。マウンドを託されたのは3日前に142球を投げたばかりの背番号18だった。「言われた瞬間は“マジかよ!?”と思いました」と本人も仰天する今季初救援。球宴前はもう先発予定がないため、ブルペン待機としてチームに帯同していたが、いきなりストッパーで投入された。それでも、強心臓の20歳は動じない。「日本代表でも去年も救援はあったので慌てることはなかった」。自己最速の155キロはおろか、スライダーでさえ140キロを超える圧巻の投球で、プロ通算2セーブ目。対ソフトバンク戦の連続無失点記録は34回に伸ばした。

 もともと、“抑えはマー君”が野村監督の理想像。「技術的にも、精神的にもね。ただチーム事情が許さんわな」。21日、22日もブルペン待機させることを明言。球宴明けからは先発に戻るが、佐藤投手コーチは「終盤に順位を競っていればあるだろうね」とクライマックスシリーズ(CS)進出が懸かる大一番でのストッパー転向案も披露した。
 先発ではここ5試合で0勝2敗と足踏みしているだけに、田中は「僕の試合で勝てていないので、勝利に結び付く状況で投げられるのはうれしい。あすもしっかり準備して、任されたところで全力を尽くすだけです」と連投志願。このけなげな姿に、野村監督は「昔の稲尾みたいだな。その辺に稲尾が(天国から)降りてきてるんじゃないの?」とつぶやいた。

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2009年7月21日のニュース