糸井が打率トップ!ハム勢打率上位独占

[ 2009年7月21日 06:00 ]

<日・ロ>5回右中間ソロを放った糸井嘉男(左)は稲葉篤紀とタッチ

 【日本ハム4-3ロッテ】駐車場で愛車に乗り込もうとした稲葉の声が思わず裏返った。「なにぃー?」。パの打率部門で日本ハム勢が1、2、3位を独占。そのトップに立っているのが糸井と聞いて驚いたのだ。

 野手転向して4年目。糸井のバットが周囲を驚かし続けている。この日は2点リードの5回だ。大嶺のチェンジアップを振り抜くと打球は一瞬にして右中間スタンドへ飛び込んだ。16試合ぶりの8号ソロ。右足首のくるぶしに受けた3回の死球も関係ない。

 「完ぺきでした。試合中は興奮していたので痛みはなかった」。初回の中前打を含めこの日は3打数2安打。開幕前はレギュラーすら保証されなかった男が打率・338。「首位打者?自信もないし、1年間試合に出続けたことない。それに打率は1打席ごとに変わるもの。今はこの調子をキープするだけ」。6月の月間MVP、球宴初選出。目まぐるしく変わる環境にも苦労人らしく浮つくことはない。

 「きのうの夜にバットを振り込んだのが効いたかな?」。西武戦(帯広)が雨天中止となり、夜中の寮で投手の球種やコースを想定しながら素振りを繰り返した。梨田監督も目を細める。「(森本)ひちょりを外してまで使っている。これくらいは期待している。でも、よう当たっているわ。足にバットにとね」。同一球団で打率1~3位を独占となれば49年ぶり史上3球団目の快挙。先はまだ長い。それでも実現すれば2年ぶりV奪回も必然となる。

 ▼日本ハム・高橋 投手からのマークが厳しくなっているのはひしひしと感じている。ただ、チーム打撃をしていかないと勝てないですから。(打率部門の上位独占は)凄いですね。

 ▼日本ハム・稲葉 新聞を見て自分の名前があると悪い気はしない。あとは硬くなるか、謙虚になるか、大胆になるか。ヨシオ(糸井)が今状態がいいので、僕も負けたくないし、そんなライバル意識が(打線全体を)いい方向に向かわせている。

 ≪藤井 2カ月ぶりの5勝目≫日本ハムの藤井が、6回0/3を3安打1失点で5月29日の横浜戦(横浜)以来の5勝目を挙げた。「コントロールが良かったし、楽しんで投げられた。勝ちにつながる投球ができた」。右打者がずらりと並ぶロッテ打線に対して、怖がらずに内角球を多投した。吉井投手コーチは「先発がああいう配球をしてくれると、救援陣が簡単な配球で済む」とその勇気を絶賛。プロ10年目ならではの味のある投球術だった。

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2009年7月21日のニュース