多村が3試合連続弾 首位ハムに0・5差

[ 2009年7月5日 06:00 ]

<日・ソ>4回無死一塁、右越え2ランを放ったソフトバンク松中(左)は杉内(中央)らナインとハイタッチ

 【ソ7-3日】函館の曇り空に3発のアーチが舞った。追い抜き、再度逆転し、そして突き放す。試合を決めたのは多村だ。1点を追う7回無死一塁。強烈な逆風を切り裂いて、逆転の8号2ランをバックスクリーン左に叩き込んだ。

 「よく飛んでくれた。完ぺきに芯に当たったし、ライナーだから(逆風でも)入ると思った。チェンジアップの失投を逃さなかった」
 横浜時代の06年以来となる3試合連続アーチで、ここ5戦4発。今季も春先の右肩痛など、故障に泣き続けてきた主砲は必死の思いで試合に臨んでいる。2日のオリックス戦(ヤフードーム)で左足に自打球を当てて途中交代。3日の全体練習は治療に充てた。ケガに弱い。そんなレッテルを自ら引きはがすように、「ダメだったら出てないよ」とこの日も強行出場。そしてチームに勇気を、勝利を運んできた。
 負けじとアーチを放ったのが松中、そして田上だった。1点を先制された直後の4回、無死一塁から右翼へ11号2ランを突き刺した松中は「いい感触でとらえることができたよ」。2日のオリックス戦では、本塁打の判定が二塁打に変更される「幻のアーチ」を放ったばかり。今度は文句なしの一発に、ベンチで秋山監督から「また幻か?」と突っ込まれると「今度のは幻じゃないです」と笑顔で返した。そして9回には田上がダメ押しの12号3ラン。オーティズに並ぶチームトップタイの一発に、恐怖の8番打者は「風に助けられました」と笑った。
 7得点すべてをアーチで叩き出し、北の大地での首位決戦に先勝。日本ハムに0・5差と肉薄したことで、きょう5日の直接対決に勝てば昨年4月2日以来の単独首位に浮上する。秋山監督が「ナイスゲームだった。嫌な点の取られ方だったけど、3本塁打がいい感じで出たね」と言えば、多村は「あしたも勝って単独首位をものにしたい」。打って決める。その表情は自信に満ちあふれていた。

続きを表示

2009年7月5日のニュース