黒田が3勝目 復帰ラミレスも「グッドジョブ」

[ 2009年7月5日 06:00 ]

パドレス戦に先発、6回途中まで3失点と好投したドジャース・黒田

 【ドジャース6-3パドレス】ドジャースの黒田博樹投手(34)が3日(日本時間4日)のパドレス戦に先発し、5回1/3を4安打3失点で今季3勝目(4敗)を挙げた。薬物規定違反で50試合の出場停止処分を受けていた主砲マニー・ラミレス外野手(37)が、この試合からスタメンで復帰。全米の注目を集めた一戦に勝利で花を添え、尊敬するチームメートの再出発を祝った。

 開幕戦以上とも言える重圧より、黒田の心の中では安心感の方が上回っていた。「マニーがいるというだけで全然違う。帰ってきたことでチームの力も上がった。勝ててよかった」。リードして先発の役割を果たし、ホッと胸をなで下ろした。
 スーパースターの復帰戦で、敵地サンディエゴのペトコ・パークは異様な雰囲気に包まれた。ロサンゼルスから車で2時間の距離だけにド軍ファンが大挙駆けつけ、普段空席の目立つ同球場は今季3度目の満員。ド軍のホームと錯覚してもおかしくないほどだった。
 黒田は得意のシュートに加え、左打者に内角高めのカットボールを有効に使い、5回までソロ1本の1失点のみ。だが順調にみえた6回に無死一、二塁のピンチを招いた。「あの1球が凄く悔やまれる。ボールでも良かったけど少し引っかかり高さが甘くなった。自分自身が腹立たしい」。1死後、A・ゴンザレスへの内角球が甘く入り、右中間を破られた。
 抜群の制球力で、この試合まで4試合連続の無四球。この日も5回2死まで、連続無四球を今季大リーグ2番目の30回1/3に伸ばした。それが6回、珍しく先頭打者を四球で歩かせての痛打。トーリ監督に即座に交代を命じられ「先発としてもっと長く投げないと。点をもらって変に(勝ちを)意識してしまった部分があるかも」と反省した。
 開幕戦後に左脇腹痛で故障者リスト(DL)入り。エースの責任感から気落ちしていた黒田を「自分も同じ経験をした。このケガは時間がかかるから、しっかり治せ」と元気づけたのがラミレスだった。6月の復帰後はしばらく打線の援護がなく、好投しながらなかなか勝てなかった。だがこの日は、ラミレスが四球で出塁した初回に5点のプレゼントをもらった。試合後も「グッドジョブ。レフトから見ていて、しっかりボールが動いていたよ」と称賛された。
 昨季の黒田はラミレスの移籍加入前は5勝8敗も、加入後はプレーオフも含め6勝2敗と好転した。今季も主砲のバットとともに、一気に勝ち運に乗りそうだ。

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2009年7月5日のニュース