下柳 巨人止めた!でも「心細いです」

[ 2009年5月5日 06:00 ]

<神・巨>一人だけのお立ち台で帽子をとってファンの声援にこたえる下柳剛

 【阪神6-0巨人】屈辱の記録にようやく終止符を打った。阪神は4日、先発の下柳剛投手(40)が6回を6安打無失点と好投し、巨人に完封勝利。伝統の一戦で昨年8月29日以来、248日ぶりの勝利を挙げ、3日に球団ワースト記録に並んだ同カードの連敗を11で止めた。指揮官として初めてのG倒を果たした真弓明信監督(55)も5月反攻を宣言した。

【試合結果
真弓監督ウオッチ


05年10月5日 37歳で“初体験”!61年ぶりの記録更新

00年1月21日 高田道場トレ 桜庭相手にキックスパーリング

 これまで下柳がお立ち台に上がる時は決まって“アラフォートリオ”の金本や矢野が隣にいた。しかし、この日は4万人の大観衆の歓声を独り占めした。苦手なヒーローインタビュー。淡々と言葉を発するたびに、甲子園は笑いに包まれた。
 「(1人で立つのは)覚えていません。心細いです。(マウンドでの心境は)勝てたらいいなと思っていました。(金本?)打ってくれると信じていましたので、冷静に見ていました。(ピンチ?)ドキドキしていましたけど、狩野君のリードを信じて投げました」
 立ち上がりから老かいな投球術を見せた。純粋な直球はほとんどない。特に威力を発揮したのは120キロ台のフォークだ。3回は低めに集めた決め球でアウト3つをすべて空振り三振で奪った。6回を6安打無失点。的を絞らせない101球で2勝目をつかんだ。
 昨年8月29日に自らが勝って以来、巨人相手には11連敗を喫していた。昨年11月に手術した右ひざは万全ではないが、久保投手コーチには開幕前に「オジン扱いはしないでほしい」と伝えた。今季2度目の中5日で不名誉な記録を止めた40歳の左腕に、真弓監督は「下柳がしっかり試合つくってくれたから攻撃にリズムが出たね。きょうのゲームで巻き返せると思っている」と称えた。
 もし、この試合も負けていれば巨人とは7月10日(甲子園)まで対戦がなく、苦手意識をずっと引きずるところだった。「(連敗記録は)知らんよ。勝てて良かった。(打線は)いつも頼りになるよ」。お立ち台を終え、クラブハウスに向かう通路でも素っ気なかった。しかし、狩野を見つけると、大声で「ナイスリード!」と叫んだ。気配りを忘れないその姿が、下柳の魅力である。

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2009年5月5日のニュース