岸143球熱投!松坂超え11連勝

[ 2009年5月5日 06:00 ]

<西・楽>力投する西武先発・岸孝之

 【西武8-3楽天】粘りに粘った。自己ワーストの被安打12。それでも岸は8回143球を投げ抜いた。3失点で開幕5連勝。昨年7月5日楽天戦(西武ドーム)からの連勝を11にのばし、西武では03年の松坂(現レッドソックス)の10連勝を超えた。

 「久しぶりに緊張しました。やっぱり(肩に)不安があったんで…」
 試合前から覚えていた右肩の張り。佐々木チーフトレーナーから“緊急処置”のマッサージを受けてマウンドに上がったが、背番号11の両肩にはもう1つ重圧がかかっていた。前日までの日本ハム3連戦(札幌ドーム)はすべて延長戦。合計で延べ17人の投手が登板した。「リリーフの人も疲れてる。少しでも長いイニングを投げなきゃ、と思っていた。ヒット、何本打たれたんスか?」。そう言って、岸は端正な顔をほころばせた。
 好調な楽天打線の目先を変えようと苦心の投球が続いた。5回までの86球のうち、得意のカーブが3割近い25球。「バランスを考えて投げて、回を追うごとに良くなっていった」。直球の切れを取り戻した6回以降は57球のうちカーブは8球。要所では力で押した。
 3点リードの7回は2死満塁のピンチを招いた。既に投球数は100球を超えていたが、渡辺監督はベンチで微動だにしなかった。中村紀を138キロ直球で右飛に仕留めた右腕に「次は中7日と間隔が空くから。あと1イニング頑張れ!」と声を掛け、8回のマウンドに送り出した。「中継ぎも疲れていたし、きょうは行けるとこまでと思っていた」と細身の右腕に指揮官も最敬礼だ。
 「そりゃいつかは負けると思うけど…。でも負けると思って投げたくはないんで」。岸の不敗神話が、チームを再び上位に押し上げる。

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2009年5月5日のニュース