イチ&ジョー アベック打点で死闘制した!

[ 2009年5月5日 06:00 ]

アスレチックス戦の15回、サヨナラ打を放ったロペス(中央)を祝福するマリナーズのイチロー(51)ら

 【マリナーズ8-7アスレチックス】マリナーズは3日(日本時間4日)、イチロー外野手(35)と城島健司捕手(32)の日本人コンビの起死回生の一打で、延長15回、今季メジャー最長試合となる5時間2分の死闘を制し、アスレチックスに8―7でサヨナラ勝ちした。9回に城島が今季第1号となる左越え同点ソロ、さらに延長13回は2死一、三塁からイチローが再び同点の中前適時打。2人のアベック打点はメジャー通算33試合目で、チームは26勝7敗で勝率・788。5月に入ってもア・リーグ西地区の首位を快走するマ軍の勢いは止まらない。

【試合結果


 二塁ベース上にできた歓喜の輪。イチローはヘルメット姿のまま飛び込んだ。15回無死満塁からロペスの中前打で5時間を超える死闘は終わった。それでも勝利が疲れを癒やしてくれた。
 イチロー「ちょっとおなかが減っていたんだけど、(予想より)ご飯が早くなったかなという感じ。(同点打は)自分に打順が回れば何とかなるではなくて、回れば何とかする、でしょう?回れば何とかなるなんてスタンスではやっていられない」

 延長13回。3点を勝ち越されたが、驚異的な粘りを発揮する。2点を返し、なお2死一、三塁。ここでイチローは中前へきっちりはじき返した。フルカウントからの7球目、外角高め92マイル(約148キロ)の直球だった。「(3点勝ち越されて)へこんでいましたが、ランナーが2人たまってから相手が嫌がっている感じが出てきた。満塁になってからこれは十分チャンスがあると思った」。みんながつないだ好機。無駄にするわけにはいかなかった。

 だが、この一打も城島の存在なしにはあり得なかった。1点を追う9回。1死から初球の高めの直球を左翼席に今季第1号。城島の積極性が生んだ同点弾だった。13回には1死一、二塁から四球を選んで、2度目の同点劇を演出した。好球必打。だからこそ、局面に応じて球筋を見極めることができる。

 城島「一番いいところで長打を狙っていった。きょうは全体的にバットが振れて感じがよかったんで、高めに浮いた球が来れば、と思っていた。自分が一番打ちたかったし、ちょっと興奮した」

 イチロー、城島ともに故障者リスト入りした今季。そろって出場したのはまだ3試合だが、そのうち2試合でアベック打点を挙げた。2度の3点差を追いついての劇勝で、チームは貯金5で地区首位を走る。戦前はほとんどの関係者が最下位を予想した中での快進撃。

 イチロー「(チームの勢いは)僕が言うことではない。そうだといいね、までしかいえない」

 城島「今まで3点差を追いつかれたことはあっても追いついたことはなかった。きょうみたいなゲームを勝てばチームに勢いが出る」

 イチローはクールに、城島はシンプルに、喜びを表現した。2人の言葉は対照的であっても、手応えは一緒だ。こんな粘りを見せられれば、4月だけの“珍事”とはもう言えない。

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2009年5月5日のニュース