田中の代役・井坂が初登板初勝利!

[ 2009年5月5日 13:11 ]

西武戦でプロ初勝利を挙げ、野村監督(左)からウイニングボールを受け取る楽天・井坂

 【楽天7-3西武】右肩不調の田中の代役にはプロ初登板で、2軍で0勝3敗の新人右腕が抜てきされた。野村監督は井坂の実戦登板を、実は1度も見たことがなかった。起用を決めた理由は「長身が気に入った。ほかにいないし、お初にお目にかかります」。

 突然のチャンス到来に井坂は前夜、緊張で眠れなかったという。繊細な心の持ち主も、マウンドに上がると別人になる。目を引く186センチの上背と長い手足を使い、昨年日本一の西武打線にどんどん勝負を挑んだ。

 140キロ程度の直球は打てそうで、なかなか打てない。切れと角度があり、打球がファウルになる。テンポを意識した丁寧な投球に「調子も、感覚も良かった」。5回、2点を奪われ6―3となった2死二、三塁で清水を直球で左飛に打ち取った。6回3失点で念願の初勝利をつかんだ。

 茨城・藤代高で甲子園に出場し、中大、住友金属鹿島を経てドラフト3位で入団した24歳。右ひじ手術も経験し、2軍では80球の球数制限があった。「勝利球は一生の宝にします。いい意味で期待を裏切れて良かった」と井坂。「負けてもともとだった」と恥ずかしそうに明かした野村監督に、長身の孝行息子が誕生した。

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2009年5月5日のニュース