松井秀 特大3号2ランでキャンプ締め!

[ 2009年4月3日 06:00 ]

フィリーズ戦の3回、左前打を放つ松井秀喜

 【ヤンキース8―5フィリーズ】ヤンキースの松井秀喜外野手(34)が1日(日本時間2日)、フィリーズ戦で特大の3号2ランを放ち、フロリダ州タンパでのキャンプを打ち上げた。前日に訴えていた首痛をものともしない全開ぶりで、毎年キャンプ中に悩まされる持病を克服。“最後の関門”もクリアした。打率・222ながら3本塁打、12打点は堂々のチーム2冠王。不動の4番としてチームのグレープフルーツ・リーグ最高勝率も確定させた。

【ヤンキーススタジャン


 長かったキャンプの最後を飾る特大花火は右中間ではじけた。4回2死一塁。左腕ハップのチェンジアップを松井が打ち砕いた。特設塔の屋根の最上段にぶち当たる3号2ランだ。
 「高めに入ってきたのをちゃんと打てた。完ぺきな当たり」。納得の一打に力強くうなずいた。
 「左ひざはまだ100%ではないと思うけど、最後に状態が良くなった。いいキャンプになったと思う」。3回は左前打で出塁。後続の左犠飛で生還するなど、走塁にも不安は感じられない。3月17日のパイレーツ戦以来、9試合ぶりのマルチ安打。打率は・222と低いが本塁打はテシェイラら、打点はスウィシャーと並ぶチーム2冠王に躍り出た。出場全17試合で座った4番の働き。松井は「打撃は数字ほど悪いと思わない」と語った自信を証明してみせた。
 開幕へ、最後の関門をクリアした。前日、首の左側に張りを訴えた。メジャー1年目から毎年、キャンプ中に疲労がピークになると襲う持病だった。3月上旬に発症した昨年は数日間別メニュー調整を余儀なくされた。この時期の休養なら、開幕での出遅れは必至。それをわずか1日で払拭してみせて「あれが答えだ。ヒデキの首は何ともない」とジラルディ監督も特大弾にうっとりだ。
 他球団に先駆けてフロリダ州で行われるグレープフルーツ・リーグ全日程が終了。22勝10敗1分け最高勝率を確定させた。昨年はレイズが輝き、その勢いを初のリーグ制覇へつなげている。幸先いい09年初タイトル。試合後は気温30度のタンパから7度の本拠地に戻った松井は「状況が変わる中でしっかりシーズンに備えたい」。残すオープン戦は3日からの新ヤンキースタジアムこけら落としのカブス戦2試合。背水の1年へ向けた足取りは一気に力強さを増してきた。

 ≪新ヤンキースタジアム内を初公開≫ニューヨークに戻ったヤ軍ナインは2日午後から、新ヤンキースタジアムで初めて公式練習を行った。同日午前にはスタジアムが年間指定席購入者や報道陣に公開された。総工費13億ドル(約1300億円)の新球場は旧球場から道路1本を隔てた北側に位置。フィールドのサイズや形状、東西南北の方向などは全く同じだ。一方でスイート席は19から56に増え、売店の面積が約2倍に。レストランの数も4から14に増えるなど客席は豪華になる。3、4日のカブスとのオープン戦は、松井もスタメンで出場する予定だ。

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2009年4月3日のニュース