岩村がウイニングボールつかむ

[ 2008年10月20日 13:18 ]

レッドソックスを破りア・リーグ優勝、ジャンプして喜ぶレイズ・岩村(中央)

 【レイズ3―1レッドソックス】9回2死一塁。強いゴロが岩村の正面に飛んだ。最後でバウンドが変わったが冷静に処理。そのまま二塁ベースを駆け抜け、両手を挙げて飛び上がった。レイズのリーグ初優勝が決まった。

 ペドロイアのソロで先制され、3回までは1人も出塁できなかった。そんな嫌な流れを変えたのが、岩村の一振りだった。4回に先頭打者でチーム初安打。「死球でもいいというつもりで思い切り踏み込んだ」。左腕レスターの内角球をライナーで左前にはじき返した。
 1番打者の10打席ぶりの安打で打線が目覚めた。4番ロンゴリアの二塁打で追い付き、5回に3連打で勝ち越し、7回はアイバーのソロで追加点を奪った。好投したガーザを含めた5投手の継投で2点差を守り切った。
 「苦しかった逆転劇(第5戦の敗戦)から何日間もずっと不安があった」。第6戦も敗れ、重苦しい雰囲気が漂った。チームは試合前にシーズン中でも珍しいミーティングを実施し、岩村は「今日の試合が終わった後で死んでもいいという覚悟でグラウンドに立っていた」との思いで臨み、昨年の世界王者を倒した。
 優勝の喜びをかみしめる岩村のズボンのポケットが膨らんでいた。ウイニングボールを独り占めしていた背番号1は「まだ終わりじゃない。最後の戦いがあるのでそれに集中したい」。“ミラクル・レイズ”の物語は世界一で完結する。(共同)

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2008年10月20日のニュース