成瀬 北京へ“モデルチェンジ”

[ 2008年7月26日 19:59 ]

 【ロ1―2ソ】投げ方に手を加えた姿に、並々ならぬ危機感が透けて見えた。ロッテ・成瀬は北京五輪前最後の登板で普段のノーワインドアップをやめ、プロで初めて無走者でもセットポジションでの投球を貫いた。制球に苦しむ今季、前回は自己最悪の9失点。「フォームのバランスが課題だったので」。今季1度だけ試合中にセットに変えている。そこで得ていた好感触を確かにする必要があった。

 1回、3人の左打者へ外角の直球、スライダーがストライクゾーンをかすめながら決まる。「ボールはいっていた」と成瀬。左は内野安打3本に抑え、外にゾーンが広いとされる五輪でも威力が期待できる制球だった。
 最大の課題、右打者への内角直球の精度も増した。前回見られたシュート回転もほぼ皆無で、2失点で完投し「それなりの投球ができ、収穫はあった」と新たなスタイルに手応えを感じていた。
 一方で「内角が甘めにいったり、逆球もあった」と言うように、昨季の精密さは戻っていない。「ノーワインドアップにしたいが、このままいこうかな」。金メダル獲得のため、不本意ながら本来の姿は一時封印する。

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2008年7月26日のニュース