新人王見えた!多田野ルーキートップ6勝目

[ 2008年7月26日 06:00 ]

<日本ハム・西武>お立ち台でBB(中)に手を上げられる勝利投手の多田野(左)と勝利打点の小谷野

 【日本ハム2―1西武】12球団トップの128本塁打を誇る超重量打線を多田野が手玉に取った。7回を3安打1失点。「直球だけでなくスライダー、フォークも切れて制球もできていた。大事な一戦と思っていたので、こんな投球ができて満足しています」。向上心の強いルーキーもこの日ばかりは納得顔だ。

 走者を置いてからの一発は警戒したが、臆することはなかった。5回1死まで無安打投球。中村に中前打を浴び“記録”が途切れても動じない。後続の後藤をフォーク、細川を直球で連続三振に斬った。「これまでの試合を見ると西武打線は大振りして強い打球を打っていた。(似たような打線と)米国で経験しているので、しっかりと腕を振ることだけを意識した」と低めを意識し、自分のスタイルを貫いた。
 原点回帰のマウンドでもあった。21日に母校・八千代松陰(東千葉)の応援に千葉マリンまで出掛けた。試合は木更津総合に敗れたが「あの暑さの中で必死に投げている投手は本当に素晴らしい。こちらは観戦しているだけでTシャツがびしょびしょ。自分はナイター、しかもドーム球場でやっているわけですからね」。内野席から眺めた後輩たちの背中に大きな刺激を受けた。
 これで新人ではリーグ単独トップの6勝目。自主トレ中に左手首を骨折して出遅れたが、新人王も視野に入ってきた。それでも「全く意識していない」とキッパリ。首位・西武とは3・5ゲーム差。勝負の夏を控え、米国で数々の修羅場をくぐり抜けてきた右腕の言葉は逆に頼もしい。

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2008年7月26日のニュース