谷がサヨナラ打!原巨人あきらめない

[ 2008年7月26日 06:00 ]

<巨人・ヤクルト>サヨナラ打を放った谷を祝福する原監督(左)

 【巨人3―2ヤクルト】巨人は25日、代打・谷佳知外野手(35)のサヨナラ打でヤクルトを下した。1点を追う9回1死満塁から阿部慎之助捕手(29)の押し出し死球で同点とすると、プロ12年目の巧打者が移籍後初となるサヨナラ打を中前へ運んだ。チームは今季4度目のサヨナラ勝ち、3カ月連続の勝ち越しで貯金も今季最多の7。首位・阪神も中日に大勝し10・5差は変わらないが、簡単にギブアップはしない。

 打球が抜けた瞬間、両手を突き上げた。同点の9回1死満塁、代打・谷が中前に運んで試合を終わらせた。移籍後初のサヨナラ打。もみくちゃにされたユニホームを整え、お立ち台に上がった。
 「打つしかなかったので気持ちでいきました。何とか当てようと思った。(祝福は)最近は服を脱がされるからね。水がなかったから良かった」
 プロ12年目。開幕から思うような打撃ができず、ベンチスタートも増えた。それでも後ろは振り返らなかった。「自分の中でこれっていうのが体のシンに1本ある。どこが悪いかは体が分かる。だから昔のフォームを見ても意味がない」。好調時の映像は決して見ない。こだわりが生きた。
 抑えの林昌勇(イム・チャンヨン)とは今季初対戦だった。2球目のスライダーにタイミングが合わず空振り。そこから2球続いた球を確実に仕留めた。「初めて見る投手でも振っていって合わせる。シンでとらえることはできる。この年になって走力は少し落ちてきたかなと思うけど、バッティングは向上していかないとね」。打席の中で変化できるほど、経験を積んできた。
 李スンヨプが復帰し、開幕時に近い超重量打線で臨んだが、館山の前に7回まで1安打。その嫌な流れに風穴をあけたのは阿部だった。8回、先頭で打席に入ると初球をセーフティーバント。ファウルになったが、2球目を中越えに運んだ。1点を追う9回1死満塁では左太腿内側の死球で同点とした。「大丈夫じゃないよ」と帰りの通路で転倒しそうになるほど、直球をまともに受けた。
 8回の守りでは1死一、三塁から2度のウエストボールでスクイズを外し、追加点を防いだ。「あれで流れを断ち切れたと思う」。スタンドには毎年オフに野球教室を行っている沖縄の離島・伊江島の大城勝正村長(61)ら35人を招待していた。
 首位・阪神とは10・5ゲーム差。厳しい状況には変わりないが、貯金は今季最多の7まで増えた。「完全に抑えられていたけど、いい形で最後を決めることができた。慎之助は普通ならよけられたが、勇気を持ってああいう形になった。谷は本当にいい仕事をしてくれる」。原監督は逆転を呼んだ立役者たちを称えた。

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2008年7月26日のニュース