打たれて打って最後はラミ弾で決めた

[ 2008年5月21日 06:00 ]

<ロッテ・巨人>8回1死一、三塁、逆転となる右越え本塁打を打ったラミレスは気合の雄叫びをあげる

 【巨人12―11ロッテ】巨人がセ界のとりでを守った。導入4年目の交流戦が20日、開幕した。巨人はロッテ相手に先発した高橋尚成投手(32)が大乱調。序盤に大量失点を喫したものの、打線が高卒ルーキーの唐川侑己投手(18)を粉砕。8回に主砲・ラミレスの14号逆転3ランなど、交流戦最多となる23安打を記録した。交流戦6連敗中だった鬼門・千葉マリンでの大逆転勝利で3位浮上。この日、セ・リーグチームによる唯一の勝利を収めた。

 「行けっ!」。ベンチの全員が身を乗り出した。右翼ポール際への決勝3ランを見届けたラミレスは、千葉の夜空に右拳を突き上げた。次打者の阿部が「そんなの関係ねぇ~」で出迎える。ベンチ前では原監督と熱い抱擁だ。06年7月15日のヤクルト戦(神宮)以来となる6点差をはね返しての逆転。ナイン全員の勝利への執念が、4番のバットで実を結んだ。
 「カットボールを待つようにという村田(打撃)コーチの指示通りに(初球を)打てた。途中は劣勢だったけども、全員が下を向くことなくあきらめなかったからね」
 相手先発は高卒新人の唐川。2回に脇谷の2点打で先手を取ったが、先発の高橋尚が大乱調。3回で2―8とリードされたが、打線はあきらめなかった。5回に5安打で3点を奪い唐川をKO。7回に4連打で同点。2点勝ち越された直後の8回、1点返してなお1死一、三塁でラミレスがロッテ・荻野の代わりばなに決勝弾を見舞った。交流戦最多の23安打はチームとしても04年4月29日のヤクルト戦(神宮)以来4年ぶり。小笠原、阿部、ゴンザレスが4安打を放つなど3~6番で15安打8打点を挙げた。
 開幕ダッシュに失敗して借金3で迎えた交流戦。05年から続く千葉マリンの連敗も6で止め、3位に浮上した。原監督も「この球場では苦汁を飲まされてきたので、いいきっかけになると思う。6点差の緊急事で、それぞれがあきらめず、つないでくれた。ゲームをつくったのは打者陣」と手放しで打線を褒め称えた。
 ラミレスはこれで16試合連続安打。その間7~9回の終盤に限れば21打数で決勝打3本を含む14安打。打率は驚異の・667だ。好調の要因の1つがオン、オフの切り替え。自宅では米国ドラマのDVD観賞でリラックスするが、最近は日本のテレビドラマ「水戸黄門」に興味津々だ。終盤に水戸のご老公様が悪人に印ろうを掲げて問題を解決する人気ドラマについて「日本の文化には興味がある。ぜひ見たい」と関係者に英語版の取り寄せを依頼したほどだ。
 4時間13分の激闘を終え、ヒーローインタビューを終えた主砲は「チョーツカレタ。デモ、アシタモDH。ダイジョウブネ」。終盤の打席で無類の強さを誇る巨人の“黄門様”は、最後もしっかりと笑いを取ってタクシーに乗り込んだ。

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2008年5月21日のニュース