神様に八つ当たり 中田2軍落ち目前

[ 2008年3月13日 06:00 ]

<ヤクルト・日本ハム>大勢の報道陣が取り囲む中、厳しい表情でグランドを後にする中田(中央)

 【日本ハム1―2ヤクルト】日本ハムの高校生ドラフト1巡目・中田翔内野手(18=大阪桐蔭)の開幕1軍が絶体絶命となった。途中出場した12日のヤクルトとのオープン戦でも空振り三振に倒れ1打数無安打。これでオープン戦は14打席無安打。当初は14日の横浜戦(横浜)をメドに判断する予定だったが、梨田監督が視察する13日のイースタン教育リーグ・湘南戦(鎌ケ谷)で、結果を残せなければ2軍降格が濃厚になった。

 積極的にフルスイングすることを誓っていた。しかし体が動かない。8回が唯一の打席だった。初球の甘い直球を見逃し、最後は高めのボール球にバットが回り、あえなく空振り三振。「完全にやばいッス。真剣に…」。大きなバッグとバットケースを担ぐ中田から出た言葉は本音だった。
 「調子がよかったら初球を見逃すことはない。(最後は)変化球も直球も頭に入ってなかった。今のうちに“プロの厳しさを知っとけ”と神様が言っているのかもしれないけど…。ふざけんなよ、神様」。明るい表情を浮かべたのは、せめてもの意地だった。
 これで14打席連続無安打。オープン戦は1日・横浜戦(名護)で初打席初アーチの華々しいデビューも、その後は低迷。8試合で17打数2安打、打率・118。「自信を失っているというより、1つの球を振ったらその球が気になって仕方ない。“またフォーク、スライダー…”とね。状態はよくない」。梨田監督の言葉は現段階で1軍戦力としては厳しいことを示していた。
 13日の湘南戦が、中田にとって開幕1軍のラストチャンスとなる。当初、首脳陣は14日の横浜戦後に1軍メンバーを絞り込む方針だったが、山田GMは「(中田が)この状態ならあした(13日)で決まるかもしれない。2軍でやるのに(14日に)横浜へ連れて行っても仕方ない。それなら2軍で打席を稼がせた方がいい」と話した。指揮官とともに視察予定の福良ヘッドコーチは「まだ(2軍落ちは)決定していない」とした上で「投手も出来上がってきているので(好結果は)難しいかな…。同じ結果なら経験ある方を使うのも手かもしれない」と“実績”を加味することも示唆。中田を取り巻く状況は極めて厳しくなっている。
 それでも大逆転の可能性はゼロではない。中田には誰にもマネできない規格外のパワーがある。
 「人選は監督に任せているが、2軍投手を打てるなら、1軍投手もある程度は打てるだろう。打席数が少なかったから実戦で試すということ」と同GM。沖縄キャンプ初日のフリー打撃で6連発、初の対外試合だった2月10日・阪神戦で場外弾。そしてオープン戦初戦でもビッグアーチをかけた。節目に強い怪物ならば、神頼みしなくても“逆転弾”を放つことは可能なはずだ。

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2008年3月13日のニュース