巨人沈黙 11試合でノーアーチ

[ 2008年3月13日 06:00 ]

<阪神・巨人>6回表(巨)1死一塁、空振り三振に倒れたラミレス(中)

 【巨人1―2阪神】無観客でよかった?日本一奪回を目指す巨人が12日、練習試合の阪神戦(甲子園)で貧打ぶりを露呈して4安打1得点のみの敗戦。故障や体調不良などで阿部、高橋由、小笠原らが不在とはいえ、2月下旬からの練習試合、オープン戦の計11試合(3勝8敗)でいまだに本塁打ゼロ、平均得点も2・1と低迷が続いている。8月の北京五輪期間は多数の主力が抜けることが確実で決して楽観視はできない。

 無人のスタンドにむなしい打球音がこだました。巨人打線が11試合、延べ393打席を消化していまだに本塁打ゼロ。リニューアルされた甲子園での練習試合も久保田、藤川らの前に4安打1得点に抑えられ、静かに“プレ伝統の一戦”は終了した。
 1四球2三振でお役御免となった4番・ラミレスのジョークもさえない。「シーズンのために今はためているんだよ。最近強めに振り出したから、当たればヒットの延長でホームランになるかも」。普段は陽気な助っ人は苦笑いしながらバスに乗り込んだ。篠塚打撃コーチも「ちょっと寂しいよね。ホームランが出ないとなかなか点が入らないよね」と不発の打線を嘆くしかなかった。
 原監督の方針でベストメンバーが出そろうのは16日の阪神戦(東京ドーム)以降。確かに昨季MVPの小笠原に高橋由、阿部、二岡、李スンヨプを欠く“飛車角金銀落ち”打線では大量得点は望めない。ラミレスも調整段階ではある。「打てませんね」との質問に、原監督が「まあ、当たりとしてもそこそこいいところに行っている」と悲観していないのは当然かもしれない。
 ただ8月の北京五輪期間中はその不在組のほとんどが代表に選出され、チームを離脱する可能性が高い。この日、韓国が世界最終予選を突破し、李スンヨプも抜けることが確実。つまり現時点でのメンバーが中心となって勝負どころの夏場を乗り切る必要があるのだ。
 「阪神は強敵ですよ。でも互角以上の戦い方をしなくてはならない」と原監督。スタンドの改修工事が一部残っていたため、この日は無観客の練習試合として行われた。大勢のファンが詰め掛ける本番の伝統の一戦で同じ失態を繰り返すわけにはいかない。

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2008年3月13日のニュース