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【コラム】城彰二

相手GKの視界遮る“トリックFK弾”が勝因

[ 2016年1月12日 05:30 ]

優勝を決め、大喜びの東福岡イレブン
Photo By スポニチ

第94回全国高校サッカー選手権大会・決勝 東福岡5―0国学院久我山
(1月11日 埼玉)
 東福岡の勝因は後半2分の2点目、中村が直接決めたFKだった。トリックを使い、相手GKにボールを見にくくしたが、キックも壁の上ギリギリを狙い、スピードもコースも完璧だった。1点なら逆転できると思っていた国学院久我山もこれでガックリきた。東福岡は全員が蹴る、止める、走る能力が高く、完成されていた。先制点も左から中央、右とパスを回して三宅が決めたが、中央で藤川が相手DFを何人も引きつけてラストパスを出した。スピード感があり、シュートの精度も高く、プロの試合のような展開だった。

 さらに高校サッカー特有のチーム全員が協力する姿勢も高かった。両サイドバックが高い位置まで上がると、後ろのスペースをボランチや逆サイドの選手が徹底してカバーしていた。トーナメントは負けたら終わりで、精神面も重要になる。最近の日本サッカーに欠けているひたむきさを東福岡が見せたのは大きい。ちょうど20年東京五輪を担う世代だが、こういうチームが優勝したということは、日本にとって明るい材料だと思う。(城彰二=元日本代表FW)

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