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【コラム】城彰二

整備された「良い守備から良い攻撃」 26年W杯に向けバックアップメンバーの充実を

[ 2023年10月18日 10:00 ]

国際親善試合   日本2―0チュニジア ( 2023年10月17日    ノエスタ )

<日本・チュニジア> 試合後、記念撮影する(左から)遠藤、伊藤敦、鈴木、橋岡とそれを見つめる久保(右) (撮影・後藤 大輝) 
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【城彰二氏 視点】第2次森保ジャパンはこれで6連勝となった。日本代表の監督は今まで4年ごとに代わってきたが、続投したことで、「良い守備から良い攻撃」を掲げるサッカーが整備された。これまではチームコンセプトがあいまいで、ボールの取りどころも個人任せ。今は誰がケアする、どこで挟み込むというのがはっきりしているため、高い位置で奪ってショートカウンター、サイド攻撃が効いている。

 課題を挙げるならチュニジアのように守備を固められた時への対応だろう。前半は5―3―2の布陣にスペースを消され、効果的な縦パスを入れられなかった。三笘のように1人で打開できる選手がいればいいが、そうでない時はワンタッチで回し、3人目が絡むような動きがないと崩すのは難しい。連係面には改善の余地がある。後半はFWに入った上田が起点となり、久保が自由に動くことでボールを引き出しリズムをつくっていた。

 11月からはアジア2次予選が始まる。海外組にとって欧州から日本やアジアへ戻ってくるのは肉体的に厳しい。代表活動で調子を落として、自チームでポジションを失うリスクを考えれば全員を呼ぶ必要はない。今回からW杯のアジア枠は増え、日本は問題なく本大会に行けるレベルにある。中盤の底で大きな存在感を放つ遠藤は30歳。26年のW杯を見据えれば、遠藤のポジション以外にもバックアップメンバーの充実を図る必要がある。

 代表は結果を残さないといけないと同時に、次につながる選手を育てることも重要。Jリーグでも活躍している選手はいる。アジア予選は新戦力の発掘という意味合いで戦ってもいいと思う。(城彰二=元日本代表FW・スポニチ本紙評論家)

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