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【コラム】城彰二

香川不在の影響を感じさせぬ「オールラウンダー清武」の力

[ 2012年9月12日 06:00 ]

<日本・イラク>前半2分、プレーする清武
Photo By スポニチ

W杯アジア最終予選グループB 日本1―0イラク
(9月11日 埼玉 )
 前田の先制点が試合の流れを変えた。アシストした岡崎の相手DFの裏を突いた動きが素晴らしかった。シュートする選択肢もあったが、左足でダイレクトのパスを選択したことが奏功した。イラクに精神的ダメージを与え、0―0で折り返して後半勝負という相手のプランも狂わせた。その後は序盤から飛ばし過ぎた相手の動きが悪くなり、中盤にスペースができて、本田らへ縦パスが入るようになって攻撃が活性化した。

 急きょベンチ外となった香川不在の影響は感じなかった。先発した清武は6日のUAE戦から好調で、この試合に限れば、香川が先発するよりも良かったのではないか。清武は、相手の嫌がるスペースに入っていけるし、パスで周りを使えるし、そのうえで自分も生かすことができる。後半35分に本田に合わせたクロスを見ても分かるように、正確なキックで決定機もつくれる。いい意味で香川にプレッシャーを与えた。ザッケローニ監督にとっては、先発で使える選手が1人増えたという意味でも収穫の大きい試合。残り4試合のうち3試合は何が起こるか分からないアウェー。この試合で取れなかった追加点を奪うことが今後の課題になる。 (元日本代表FW)

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