×

【コラム】城彰二

ドイツの焦り呼んだ後半2つのポイント 三笘、浅野、堂安らの投入と3バック変更

[ 2022年11月24日 06:00 ]

W杯カタール大会1次リーグE組   日本2―1ドイツ ( 2022年11月23日    ハリファ国際競技場 )

<日本・ドイツ>後半、堂安ゴールを決め駆け出す堂安(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 歴史的1勝だ!7大会連続7回目出場でFIFAランク24位のサッカー日本代表は23日、1次リーグE組初戦で同11位のドイツに2―1で逆転勝ち。後半30分に途中出場のMF堂安律(24=フライブルク)が同点弾を挙げると、38分には同じくFW浅野拓磨(28=ボーフム)が逆転弾。W杯で優勝国から勝ち点を奪うのは日本サッカー史上初で、逆転勝利も初。森保一監督(54)が目標として掲げるベスト8以上へ向けて大きく前進した。歴史的大金星を挙げた一戦を城彰二氏が分析した。

 前半を1失点で耐え、後半から3バックに変えて、サイドで主導権を握ったことで流れが変わった。追いついた場面は三笘が左サイドから仕掛けて南野が合わせて堂安が決めたが、スピードのある交代選手が持ち味を発揮した。決勝点も浅野のスピードにドイツが付ききれなかった。後半、ドイツの足が止まったことで日本らしさが出るようになり、前半苦しんだサイドを取り返せたことも大きい。ドイツが寄せきれなくなり、焦りを誘ったことも日本に味方した。

 日本は万全ではないDF冨安とMF守田の位置に板倉と田中を先発に起用し、ほぼベストメンバーだったが、立ち上がりから守備に追われて日本の良さが出なかった。ドイツとの対戦を考えれば、「まずはしっかり守って」ということが重要で、FWにプレスをかけられる前田を入れて、前線からの守備を重視したが、狙い通りのサッカーができなかった。ドイツに押されてDFが下げられてしまい、ボールを奪う位置もバラバラ。相手にプレスもかからず、人がいるのに間を通されたり、攻撃への切り替えもうまくいかなかった。

 ドイツの左SBラウムが高い位置を取ってきたが、伊東が戻りきれなかったり、酒井との連係が悪くここからやられていた。先制点はPKで取られたが、2つのミスが重なった。マークの受け渡しがうまくいかずに相手をフリーにしてしまったし、GK権田もあわてて飛び込む必要がない場面だった。それでもハーフタイムで切り替えられたことが大きかった。(城彰二=元日本代表FW)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る