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【コラム】城彰二

「決定力の差」この一言

[ 2017年1月11日 16:00 ]

<高校サッカー決勝 青森山田・前橋育英>後半14分、この日自身2得点目のゴールを決め得点王を決めた青森山田・鳴海
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 決定力の差が出た試合。この一言に尽きる。前橋育英は前半に多くの決定機があったが決められず、逆に青森山田はシュート8本で5得点。中でも今大会の初戦から全試合でゴールを決めた高橋は光った。頭の良い選手でポジショニングが良い。先制点の場面で、スリッピーなピッチを利用するため、ボールを押さえつけるような蹴り方をしたのも印象的だった。

 青森山田は足腰を鍛えるために雪上ランニングをするなど雪をマイナスに考えなかったチーム。黒田監督は「雪国の概念を覆したい」と話していたが、最後まで走り切った決勝戦で雪がマイナス面だけではないことを証明した。高円宮杯U―18チャンピオンシップとの2冠は東北地方を勇気づける結果。今後の高校サッカーの勢力図が変わる可能性もある。

 前橋育英はポゼッションがうまく、2年生の多いチームなので来年も楽しみ。決定力にフィーチャーしたトレーニングをすればもっと強くなるはず。5―0のスコア以上に拮抗(きっこう)した見応えのある試合だった。(城彰二=元日本代表FW)

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