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【コラム】城彰二

プレスのバランス ネルシーニョ監督、見事な修正

[ 2011年12月12日 06:00 ]

<柏・モンテレイ>PK戦で勝利を収め抱き合って喜ぶGK菅野(左)と最後のキッカー・林
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 【クラブW杯準々決勝 柏1-1モンテレイ(PK4-3)】柏は初戦で浮き彫りになった課題を見事に修正していた。オークランド戦では前線からプレスをかけすぎていて、後半にバテてしまった。田中、工藤の2トップがバラバラにプレスに行くため、相手に間を突かれてパスを回されてしまった。この日は少し低い位置からプレスをかけていたし、2トップも意思統一ができていた。わずかな時間でチームの問題点を解決したのは、さすがネルシーニョ監督だ。

 レアンドロ・ドミンゲスが先制ゴールを決めたが、田中がセカンドボールを拾って、飛び出したことが大きかった。セカンドボールへの意識を持っていたし、ああいう場面を狙っていた。チーム全体でも、大谷がルーズボールを凄くケアするようになって主導権を握った。こぼれ球をつぶしに行こうと考えてポジショニングしていた。ビルドアップでも慌てず、大谷を経由してパスを回してリズムをつくった。

 準決勝のサントス戦は勝つ可能性が高いとは言えない。これからサントス対策を立てるのも難しい。だからこそ、柏のスタイルを貫いてほしいし、それが相手にとっても一番やりにくいはずだ。(元日本代表FW)

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