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【コラム】城彰二

サブ組の底上げ不可欠

[ 2011年9月10日 06:00 ]

佐々木監督(左)から指示を受ける宇津木(右)と矢野
Photo By 共同

 【ロンドン五輪アジア最終予選 日本1―1北朝鮮 】あの出来で負けなくてよかった、という試合だった。北朝鮮の方がコンディション、気持ち、技術で上回っていてボールを支配されてしまった。いつものなでしこらしいパスワークを発揮できず、中盤でボールを奪っても自分たちのミスで相手に渡してしまうような形が多くて自滅した感じ。トップにパスが納まらず、後半から安藤を入れて起点をつくろうとしたが、なかなか機能しなかった。ただ、ワンチャンスを生かして先制点を奪えたのはW杯の優勝効果といえる。今までなら慌てるような展開でも“いつかチャンスがくる”というチームとしての落ち着きが見えた。

 五輪の出場権は獲得したが、来年の本大会まで進化しないとメダル獲得は難しいと思う。パスワークが機能すればW杯のようにものすごい攻撃力が発揮できるが、どのような条件、相手でもいかに自分たちのサッカーができるか再確認が必要。また、サブ組の底上げは必須。ケガや連戦で先発が代わってもチームのポテンシャルが落ちないようにバックアップメンバーの成長が不可欠だ。(元日本代表FW)

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