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【コラム】城彰二

優勝経験ない4強 地域格差減った

[ 2013年1月20日 06:00 ]

<鵬翔・京都橘>PKを決めたGK浅田(背中)の元に走る鵬翔イレブン
Photo By スポニチ

全国高校サッカー選手権決勝 鵬翔2―2(PK5―3)京都橘
(1月19日 国立)
 攻める京都橘、守ってセットプレーから得点を狙う鵬翔という予想通りの展開だった。京都橘は仙頭、小屋松の2トップを中心に多彩な攻撃を仕掛けていたし、鵬翔は粘り強い守備、CKとPKによる得点と、両チームともに持ち味を出した。鵬翔は今大会4度目のPK戦で、各選手が独特の雰囲気にのまれずに自信を持って蹴れたことが勝因。雪の中で決勝を行わずに延期した判断が好ゲームを生んだ。

 今大会は4強に残った全チームに優勝経験がなく、地域格差が減り、どの高校にも優勝のチャンスがあるという傾向に拍車がかかった印象を受けた。名門校、伝統校が早い段階で敗退することに寂しさはあるが、これは大会のレベルが年を追うごとに上がっていることを表していると思う。

 また、大会を通して高校サッカーにはクラブチームにはない良さがあることをあらためて感じた。技術レベルではJクラブの下部組織に劣るが、球際の激しさなど勝利に対する執着心では上回っている。本田や長友らA代表の中心選手の大半が高校サッカー出身ということも精神面が関係しているのかもしれない。今後も高校とクラブがお互いの良さを共有してユース年代のレベルが上がることを期待している。(城彰二=元日本代表FW)

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