宝塚・雪組トップスター彩風咲奈　夢と希望あふれる未来信じ熱演「宝塚らしい優雅な“静”を」

　【Saturday宝塚・彩風咲奈＜下＞】雪組トップスター彩風咲奈が主演の「Lilac（ライラック）の夢路/ジュエル・ド・パリ!!」が17日、東京宝塚劇場で開幕する（7月16日まで）。

　「Lilac…」では19世紀ドイツを舞台に、鉄道産業発展に命を懸ける青年を熱演。2部の「ジュエル…」は大階段を使ってのプロローグから華やかさ満点で彩風本来の魅力があふれ出る。客席はえんび服にシルクハットで踊る王道の場面からくぎ付けでパリらしいカンカンで心躍り、新トップ娘役・夢白あやとのデュエットでその美しさにため息が漏れる。

　彩風も「宝塚の男役なら“これをやってみたかった”という感じです。雪組は最近、ダンシングショーみたいな“動”のステージが多かったですが、今回は宝塚らしい優雅な“静”を感じていただけるのでは」と自信をのぞかせた。

　コロナ禍に苦しめられた宝塚だったが、ようやく日常が戻りつつあり「今年1年は明るく、ずっと気持ちは満開でいたい」と自らを奮い立たせた彩風。「ポスター撮影の時から“夢と希望にあふれた感じで”と言われてきました。宝塚の生徒としても夢と希望って一番大事だと思うので、この先に夢路があると思って頑張りたい」と力を込めた。（土谷　美樹）


　◇彩風　咲奈（あやかぜ・さきな）2月13日生まれ、愛媛県出身。大洲市立大洲北中を経て07年初舞台。雪組配属。10年「ソルフェリーノの夜明け」で新人公演初主演。21年4月、トップ就任。雪組からは11年ぶりの生え抜きトップ。身長1メートル73。愛称「さき」。