宝塚専科スター・凪七瑠海 “伝統芸能”受け継ぐ正統派 品格あふれる舞台熱演

[ 2023年4月1日 11:00 ]

伝統的な宝塚の雰囲気を漂わせ全国ツアー中の(左から)凪七瑠海、舞空瞳(C)宝塚歌劇団                               
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 【Saturday宝塚】専科スター凪七瑠海(なぎな・るうみ)がトップ娘役・舞空瞳(まいそら・ひとみ)ら星組メンバーと組んだ全国ツアー「バレンシアの熱い花/パッション・ダムール・アゲイン!」がスタートした(11日まで)。

 「バレンシア…」は1976年、榛名由梨主演の月組で初演され、その後も再演を重ねた名作。4年前に亡くなった柴田侑宏氏の代表作の一つで、凪七は殺された父の復讐(ふくしゅう)に燃える青年を好演。マントさばきも鮮やかに、軍服の着こなしも美しく「私も(宙組にいた)下級生時代に出演しましたので、稽古中も柴田先生の声が何度かよみがえって胸にグッときました」などと回顧した。

 さらに古き良き宝塚のエッセンスを詰め込んだショー「パッション…」でもクラシカルな男役の美が光り、2本とも宝塚らしい品格あふれる舞台に。「宝塚は伝統芸能だと思いますので私たちも大先輩方の思い、芸を受け継いでいかなければ、と改めて思い直しています」。下級生時代には「エリザベート」でタイトルロールを演じ、中堅時代の月組ではフェアリータイプの男役として活躍。専科に異動後は伝統を受け継ぐ正統派男役として後輩の手本となる頼もしい存在だ。(土谷 美樹)

 ◇凪七 瑠海(なぎな・るうみ)11月11日生まれ、東京都出身。田園調布雙葉高を経て03年首席入団。宙組配属。09年に月組「エリザベート」にタイトルロールで特別出演。同年「カサブランカ」で新人公演初主演。13年月組へ、16年に専科へ異動。1メートル70。愛称「カチャ」。

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