宝塚花組・柚香光<上> 徹底的につくり上げた悲運の貴公子ルドルフ 憔悴した姿にも品格

[ 2023年2月4日 11:00 ]

 【Saturday宝塚】花組トップスター柚香光(ゆずか・れい)が悲運の貴公子、ルドルフを演じる「うたかたの恋/ENCHANTEMENT(アンシャントマン)」が18日、東京宝塚劇場で開幕する(3月19日まで)。

 「うたかた…」は40年前、麻実れい&遥くららで初演された名作中の名作。「マイヤーリンク事件」として知られるオーストリア皇太子と、男爵令嬢マリー(星風まどか)の心中事件を描き、これまで数々のスターが演じてきた。

 大階段に敷き詰められたレッドカーペットを、真っ白な軍服に身を包んだ柚香と星風が登場するオープニングは息をのむほど美しく、柚香も衣装の着こなしには細心の注意を払ったという。「軍服って、少しでも気を抜くと違う体のラインになってしまって、筋肉の使い方、体で表現する難しさに神経を使います」と明かした。

 さらに「皇太子という圧倒的な制約の中で日常を過ごしている人の立ち居振る舞いは、徹底的につくり上げているつもり」とも。将来を悲観し、舞台上で泥酔したり憔悴(しょうすい)した姿の中にも「品格」を感じさせる柚香のルドルフ像は必見だ。(土谷 美樹)

 ◇柚香 光(ゆずか・れい)3月5日生まれ、東京都出身。杉並区立和泉中を経て09年初舞台。花組配属。華やかな容姿が初舞台時から話題で14年「ラスト・タイクーン」で新人公演初主演。19年11月、トップ就任。身長1メートル71。愛称「れい」。

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