実咲凜音 「バラのトゲ」の教えを胸に退団後初舞台

[ 2017年12月11日 18:00 ]

宝塚を退団し「今はどんな役でもやってみたい」と話す実咲凜音
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 4月に宝塚を退団したばかりの元宙組トップ娘役・実咲凜音(みさき・りおん)が、東京・日生劇場で上演中のミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」(29日まで。来年1月3〜8日、梅田芸術劇場)で退団後初舞台を踏んだ。

 「在団中は私の性格や、強み弱みを知っている方が役を与えてくれて、振り付けや演出をしてくださったけれど、今は“はじめまして”の中で結果を出さなきゃいけない。宝塚ってホント、守られたところだったんだな、と」。戸惑いながらも新たな世界での挑戦に目を輝かせる。

 市村正親(68)演じるユダヤ人テヴィエの長女・ツァイテル役。親に決められた縁談を拒み、貧しくも愛を貫く女性で古くは故淀かほるさんや涼風真世(57)、水夏希(45)ら元男役トップスターが演じてきた。

 この役を元娘役が演じるのは実咲が初めて。「男役さん的な心の強さが求められるので、これまでやったことのない頑固さや強さを出したい」と新境地開拓に力がこもる。

 母親役は宝塚の大先輩でもある鳳蘭(71)。「宝塚ではバラが咲いていても劇団が全部トゲを抜いてくれていたのよ。外に出た瞬間、そのトゲで血だらけになる。今からは全てを疑いなさい」。恋愛にも通じる“珍アドバイス”にも、実咲は素直に大きくうなずいていた。(土谷 美樹)

 ◆実咲 凜音(みさき・りおん)1989年(平元)7月5日、神戸市生まれの28歳。07年、宝塚音楽学校入学。09年初舞台。翌年には新人公演初ヒロインを務め12年7月、凰稀(おうき)かなめの相手役としてトップ娘役に。凰稀の退団後は朝夏まなとの相手役となり今年4月30日、退団。

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