桜木みなと 後悔を胸に伸び伸び自然体

[ 2017年6月12日 06:00 ]

2度目のバウ主演を前に「自然体で挑む」と話す桜木みなと
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 宙組男役スター・桜木みなとの2度目の主演作「パーシャルタイムトラベル 時空の果てに」が9日、兵庫・宝塚バウホールで開幕した(20日まで)。何をやってもうまくいかない青年が、ひょんなことから中世フランスにタイムスリップし「あの時こうしていれば良かった」と思う中で大事なモノを見つけていくラブコメディー。

 人間誰しも抱く「あの時…」という感情が、客席の共感を呼ぶ。桜木自身「宝塚に入ってなかったら?って思うことは凄くあります。後悔するのは退団されたスターさんのワザをもっと盗めていればということ。当時は自分が下級生過ぎて分からなかった」と重ね合わせている。

 演出の正塚晴彦氏には「セリフは忘れるまで覚えろ」と独特の言い回しでアドバイスを受けた。自然な会話のキャッチボールを大事にする正塚氏らしい助言に、桜木も肩の力が抜け自然体を心がけるようになった。

 新人公演で初主演に抜てきされた当時「頑張らなきゃ」という責任感で押しつぶされそうだった。首席の礼真琴(星組)を筆頭にスター候補生ひしめく95期生というのも、焦りの一因だったという。しかし、今は「力むのをやめる」ことを意識。伸び伸びすることで逆に魅力が増したようだ。(土谷 美樹)

 ◆桜木(さくらぎ)みなと 12月27日、横浜市生まれ。神奈川総合高を経て09年初舞台。宙組に配属となり14年「白夜の誓い」で新人公演初主演。翌年「相続人の肖像」でバウホール初主演を果たした。昨年の「エリザベート」では役替わりではあったがルドルフに抜てきされ話題に。身長1メートル70。愛称「ずん」。

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