実咲凜音 寂しさを上回る幸福感を楽しみたい

[ 2017年1月30日 14:00 ]

「緊張の裏にある幸福感がたまらない」と話す実咲凜音
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 宙組トップ娘役・実咲凜音のサヨナラ公演「王妃の館/VIVA!FESTA!」が2月3日、兵庫・宝塚大劇場で開幕する(3月6日まで、東京宝塚劇場は3月31日〜4月30日)。

 浅田次郎氏原作の「王妃…」では騒動を巻き起こすツアーコンダクター役。「必死過ぎて空回りするところが笑える人。素の自分に近いかもしれませんね」と笑う。

 一方、ショーで最も楽しみにしているのは、トップスター朝夏まなととのデュエットダンス。「娘役として、いつもあの空間は緊張する。でもその裏にある幸福感がたまらない」という。「いつかは宝塚を辞めるんだろうな」と感じながらも、そのゴールが決まった今「あとは走り抜けるだけだと分かったら凄く寂しいけれど、その反対側に計り知れない幸福感がある」とも。

 すべては表裏一体。入団当初から抜てきを受け、順調に見える宝塚生活も本人にはたまらなくつらい時もあった。「そういう時期があったからこそ今がある」。退団を前に、同期で一足早く卒業した元星組トップ娘役・妃海風から言われた言葉が忘れられない。「退団公演っていろいろ大変だけどそれを上回る幸せがある、と。その時間を楽しみたい」。実咲の表情は充実感に満ちていた。 (土谷 美樹)

 ◆実咲 凜音(みさき・りおん)7月5日、神戸市出身。兵庫県立須磨友が丘高を経て09年初舞台。花組配属。入団2年目の10年「麗しのサブリナ」で新人公演初ヒロイン。翌年には映画「阪急電車 片道15分の奇跡」にも出演した。12年5月、宙組に組替えし同7月、凰稀かなめの相手役としてトップ娘役就任。身長1メートル63。愛称「みりおん」

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