さあ首位奪取へ!阪神・大山が口火切り15点の「猛攻祭」に 先発全員安打&全員得点

[ 2024年4月21日 05:15 ]

セ・リーグ   甲子園 ( 2024年4月20日    阪神15-2中日 )

<神・中>7回、適時打を放った大山(撮影・中辻 颯太)
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 阪神は20日の中日戦(甲子園)で先発全員安打、先発全員得点と打線が爆発し、今季12球団最多の15得点を奪って今季初の5連勝を飾った。初回2死二塁で先制中前打を放って口火を切るなど、4番・大山悠輔内野手(29)が猛攻劇の先頭に立ち続けた。2試合連続猛打賞で3打点と躍動。この日、国内フリーエージェント(FA)権の取得条件を満たし、周囲への感謝をバットでも示した。チームは2位に浮上し、首位・中日と0・5差に肉薄。きょう21日も勝てば、今季初の首位に立つ。

 大山が目覚めた。18日巨人戦(甲子園)終了時で打率・159。セ・リーグの規定打席到達者では最下位(32位)に沈んだ。泰然自若を信条とする男が翌日に甲子園までの運転ルートを変えるほど悩んでいたのは過去の話。風向きは変わり、完全に息を吹き返した。

 「チームが勝ったので、それが一番うれしい。Hランプ、得点、チームが勝つ…。これ以上のことはない」

 前夜の今季1号を含む3安打に続き、2戦連続の3安打猛打ショーだ。初回2死二塁で大野から中前適時打して大量15得点の口火を切ると、2回1死満塁では5点目を記す左犠飛。6回1死一塁では前川の2点打につながる右二塁打を放ち、7回2死一、三塁でも12点目の左前適時打。今季初3打点のおまけもついた。チームは5連勝で貯金2とし、首位・中日に0・5差と肉薄。主砲として猛攻劇の先頭に立ち続けた。

 「ここまでチームメートに助けられてしかいなかった。何とか自分が助ける側になりたいと思っていた」

 状態を把握するバロメーターの一つに「直球への対応」がある。全ての投手の軸になる「直球」を、どこまで強く打ち返せるか――。打率1割台と苦しんだ18日巨人戦までは、ことごとく差し込まれた。そこで19日からは直球に振り遅れないようにすり足の新フォームを試すなど試行錯誤を重ねた。効果はてきめん。その19日は3安打とも直球を仕留め、この日も先制打と犠飛、右二塁打は直球を打ち砕いた。内容と結果が伴う打席が続く。

 「データを見ても、(配球の)割合が多くなるのは直球。それを打ち返すことでタイミングも合う。そこ(直球攻略)ができてきたことが、一番いい」

 節目の一日でもあった。ルーキーイヤーの17年から着実に実績を積み上げ、国内FA権取得条件を満たした。まず「本当にたくさんの方に感謝したい」とこうべを垂れ「家族、日々の練習や生活をサポートしてくださる裏方さん、担当の平塚スカウトにもお世話になった。金本監督や矢野監督、岡田監督に使っていただけたおかげ」と神妙な面持ちで言葉を並べた。そして今、見据えるのは目の前の勝利のみ。猛虎だけが持つ連覇へ挑戦する「権利」。その行使、そして成就こそが大山にとって何よりも大切だ。 (八木 勇磨)

 ○…阪神が先発全員安打&先発全員得点の猛攻で、今季最多15得点の大勝。2回のイニング7得点は20年8月6日、巨人戦8回の7得点以来で、岡田阪神では08年8月19日、広島戦6回に7得点して以来16年ぶり。投手を含む先発全員得点は18年9月16日のDeNA戦以来6年ぶりで、先発全員安打との同時達成は11年7月3日の横浜戦以来13年ぶり。

 ○…チームは5連勝、貯金2で今季初の2位に浮上。首位の中日とは0・5ゲーム差で、きょう21日も勝てば昨季V以来の首位の座に返り咲く。

 ≪岡田監督もひと安心「2割の大台に」≫
 主軸の活躍に岡田監督も目を細めた。森下、佐藤輝に続いて大山も打率1割台を脱出し、「やっと3人が(打率)2割の大台に乗ったので、良かったですね」とユーモアたっぷりに喜んだ。今季最多の7四球を選んだことも収穫に挙げ「四球も絡んで去年のいい時の得点パターンというか、そういう攻撃ができた」と声がはずんだ。昨季の優勝を支えた選球眼が打線復調のカギだったようで、「タイミングが取れるようになって、ボールも見極められるようになった」と分析した。

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