ロッテ・朗希 プロ最多111球で今季1勝目 メジャー5球団の前で見せた新スタイル

[ 2024年4月8日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ5―2オリックス ( 2024年4月7日    ZOZOマリン )

7回、帽子を飛ばしながら158キロをマークした佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 尻上がりの朗希だ。ロッテ・佐々木朗希投手(22)が7日、オリックス戦で7回3安打2失点、9奪三振で今季初勝利。2回までに3安打で2点を失ったが、3回以降は無安打投球でまとめた。1年間通して投げ抜くテーマを掲げた今季。プロ最多の111球を投げ抜いた通算20勝目。新たなスタイルへの変貌への手応えのマウンドだった。

 6回を投げ終えた佐々木に、吉井監督が歩み寄った。98球。交代も頭にあった指揮官だが、コンビを組む佐藤と7回の打者への対策を練っている姿を見て、何も言わず続投を決断した。「序盤いい投球ができていなかったので、少しでも貢献したかった」。その7回、この日最速の158キロをマークするなど、2三振を奪って3者凡退で締め、満足そうにマウンドを降りた。

 初回に暴投で失点するなど、2回まで40球を要し3安打を浴び2四球で2失点。だが3回以降は直球ではなく、スライダーでカウントを整えペースアップした。3回以降の走者は死球1つのみで無安打投球。「最後は納得した形で終われた。最低限の仕事はできたと思いました」と充実感を漂わせた。

 1年間投げ抜くことを掲げた今季。ここまでは新たなスタイルに取り組んでいる。まだ160キロを計測していない直球の平均球速は、昨年の159キロから155キロに抑え気味に。昨年は全体で14%だったスライダーをこの日は26%まで増やし、投球の幅を広げている。プロ最多の111球にもお立ち台では「最近150キロ台しか出なくなったので、あまり疲れていない。まだまだ投げられると思います」と冗談めかしたが、長いイニングを見越したペース配分で奪った今季1勝目だった。

 今オフ、ポスティングシステムを利用し、メジャー挑戦する可能性のある右腕を、この日もドジャース、カージナルスなど大リーグ5球団が視察。その中で、新たな姿を披露した。吉井監督も「スライダーもあるというのは投球の幅が広がる。(球数について)去年までもいきたい、いきたいと言っていたけど、こちらが止めていたので…。130球ぐらいは軽く投げられると思います」とさらなる進化を予言した。

 それでも佐々木は「自分の形で勝負しないと、1年間で見た時にはいい数字は残らない」と今後の出力アップを宣言。本当の姿はこれからだ。 (伊藤 幸男)

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