広島・黒原 3球で危険球退場の悪夢払拭!自己最長5回を投げ1失点の「ナイスピッチ」

[ 2024年4月8日 05:45 ]

セ・リーグ   広島0-1中日 ( 2024年4月7日    マツダ )

<広・中>先発した黒原(撮影・奥 調)
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 広島・黒原拓未投手(24)が通算5度目の先発だった7日の中日戦で自己最長5回を1失点に抑える力投を披露した。3球で危険球退場した前回3月30日のDeNA戦の悪夢を払拭。今季2戦2敗でプロ初勝利には届かなくても、3年目の成長を印象づけた。攻撃陣は本塁が遠く、3年ぶりの3試合連続零敗。昨年4月6日以来の単独最下位に転落した。

 たった3球しか投げられなかった8日前とは違う。黒原は5回77球を投げ終え、戻ったベンチで新井監督から「ナイスピッチ」と優しく肩を叩かれた。

 「真っすぐも走っていたし、変化球も落ち球でカウントを取れた。ストライク先行でいけたのは良かった」

 右肘の張りで回避した森下に代わって任された3月30日のDeNAとの開幕第2戦。初回先頭の度会への3球目直球が抜け、顔面付近への死球になった。

 「相手には申し訳なかったし、自分にはモヤモヤする気持ちもあった」

 翌日31日には「早く投げたいです」と訴えてブルペン待機した。出番なく終えた後、新井監督からは同じ「土曜日」の先発起用を告げられた。3日の雨天中止による再編で一日ズレても、既に今季初勝利を挙げていたアドゥワより“優先”される形で送り出された。

 度会と同じ左打者の三好を1番打者で迎えた初回を打者3人で抑えて滑り出し、最速150キロの直球を軸にカットボール、チェンジアップを駆使した。

 「良かった中でも反省する点はある。打たれた球もあるので反省して、次回、またいい投球できるようにしていきたい」

 唯一の失点は5回1死からの連打で許した。上林に左前へ落とされ、宇佐見には左中間へ二塁打。いずれも外角球に踏み込まれ、「左打者に対しては外ばかりになると、しんどい。狙われると思う。内のボールも使って投げていきたい」と決意を強くした。

 母・千晶さんは内緒で和歌山県海南市の自宅を朝に出て電車を乗り継いで来場。声援を送り、「前回はあんな投球で、今日もどうなるかと思ったけど、球場のみなさんにも温かい声援をもらえてありがたい」と勇姿を目に焼き付けた。新井監督も「彼の気迫が伝わってきた」と評価し、「来週も見たいけど…。そこは考えたい」と続けた。森下の復帰が近く次回登板は不確定でも、プロ3年目の成長を示した。(長谷川 凡記)

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