【今永昇太と一問一答②】雨天登板時に重視するのは「見ている人にいかにコンディションを感じさせないか」

[ 2024年4月8日 11:15 ]

ナ・リーグ   カブス8-1ドジャース ( 2024年4月7日    シカゴ )

試合後に会見するカブス・今永(撮影・杉浦 大介通信員)
Photo By スポニチ

 カブスの今永昇太投手(30)が7日(日本時間8日)、本拠地で行われたドジャース戦に先発登板。4回を投げ2安打無失点3奪三振で相手に二塁も踏ませない文句なしの投球を披露したが、試合が4回裏1死一、三塁の場面から雨天中断となり、2時間51分後に再開されたことを受け、そのまま無念の降板となった。ドジャースの大谷翔平投手(29)を2打数無安打に抑えるなど、メジャーデビューから2試合連続で勝ち投手の権利を得るまであと1回だったが、冷たい雨に泣く結果となった。それでもチームは8-1で快勝し、ドジャースに2勝1敗で勝ち越した。

 注目された大谷との日米通じて初の対決は、力でねじ伏せた。初回1死無走者、カウント3-2から3球続けてファウルとされた後だ。内角高めにこの日最速の94・4マイル(151・9キロ)速球を投げ込み、大谷のバットが空を切った。気温9度の寒さで雨もパラつく中、この日も日本時代と同じ半袖姿で熱投。力勝負で奪った空振り三振に本拠地スタンドから大歓声があがった。さらに、3回2死無走者で迎えた2度目の大谷との対戦も、91・2マイル(146・7キロ)直球で三邪飛に抑えた。大谷に投じた全11球のうち8球が直球という真っ向勝負で、今永ここにありを強烈にアピールした。

 今永の一問一答は以下の通り。

――雨で降板となったが、今日の投球を振り返って。
「チームが勝って、勝つために投球していたので、チームが勝てて良かったです」

――ドジャース打線はどうだった?
「ホームランも打てるし、足も速いし、そこで警戒すれば四球も取れるので非常にタフな打線ですけど、なんとか自分の今できる最大限を出し切っていい結果が生まれたので良かったです」

――大谷選手との対戦は?
「豪快なスイングですし、今日も当たればホームランになる紙一重のところだった。今思い返してみても本当に凄いスイングだったなと思います」

――大谷選手との対戦は楽しめた?
「楽しめたという気持ちはないですけど、彼を抑えることがチームが勝つ1つのプロセスなので、彼を抑えた上で勝てて良かったなと思います」

 ――先ほどライト方向に打つには逆風があったので内角高めという話があったが、あの辺りは今永投手が強打者に対して自信を持って投げてきたボールなのでは?
「逆に低めにいってしまう真っすぐは効果をなさないと思っているので。もちろん低めをめがけてカウントを取る真っすぐもありますけど、低めを狙って投げるようなメカニズムで高めに投げるかっていうのが大事。高めを狙って高めに投げるボールは意外に空振りしてくれなかったりとか、バッターからも予想がついてしまったりというのがあると思う。僕の中では低めに投げるメカニズムで高めに投げることを大事にしている。それがコンスタントに出せればいいと思います」

 ――結果は三振になったが、大谷選手にスプリットを投げると拾われる感覚もあった?
「ゾーン残りの、(ストライク)ゾーンに残る変化球は大谷選手のバットの軌道からすれば、ホームランゾーンに打てるスイング軌道なので。でも、どこかしらで投げておかないと、真っすぐも変化球も両方打つ技術を持った選手なので、今投げられるボールのタイミングを見計らって、何とか一択を二択にできるように投げた感じですね」

 ――腕を伸ばさせないようにしている?
「あまりそこはイメージしてないです。大谷選手の場合はインコースのボール球までホームランにする技術はありますし、インコースの低めも左中間に打っている映像をたくさん見てきたので、とりあえず質のいい真っすぐをどれだけ投げ込めるかだと思う。それを最後はバッターが上回るか、上回れないかの違いだと思う。自分が今出せる最善策を選択してあとはどうなるかというところ。今日は質のいい真っすぐを投げられたのは良かった」

――真っすぐでファウルを取れてどう感じたか?
「僕がどこに投げても大谷選手は必ず自分のスイングができるなと感じたので、アウトコース低めに投げてもインコース高めに投げても、スプリットがいいところに決まったとしても、大谷選手はフォームを崩さずに打てる感覚はあったので。正直打ち損じ待ちじゃないですけども、自分がいいところに投げて彼が上回ってしまったらこっちとしてはなすすべない。初回ですし、自分のいいところを出せばいいと思って投げ込んでいきました」

――途中雨が降っても調子が上がっていったように見えたが、雨は問題なかった?
「雨が降っている時に心がけているのが、見ている人にいかにコンディションを感じさせないかが僕が大事にしているところ。雨は降っているんですけど、雨が降っているから球が滑ってボール球になるとか、手を拭いているそぶりとか、そういうのをしてしまうとわかりきっていることなんで。それをしてあまりいい効果が出たことがない。降っているんですけど、降っていない時と同じように投げることが大事。四球を出さずに投げられたことはよかったですね」

――中断になったときはもう少し投げたいなという気持ちは?
「ここ最近はリリーフ陣がものすごく奮闘してくれていたので、先発として球数が少なければ長いイニングを投げて、今日は移動日なので中継ぎ陣を休ませたい気持ちはありましたけど、こういうことになってしまってそういう意味では中継ぎ陣を休ませられなかったことに関しては残念ですね」

――大谷選手を意識しすぎないようにと試合前に言っていたが、その気持ちの持ち方はうまくいった?
「大谷選手も僕の中では試合に入ってしまえば、相手の打線のアメリカ人と同じようにと言ったらおかしいですけど、相手の選手なので。そこに関して日本人だからとかあまりそういうことは考えないようにというか、考えられないタイプなので普通通りに入っていきました」

――大谷選手の第1打席の時に3球目の後に捕手がマウンドに行ったが、あそこは何かの確認?
「サインが合わなかったところがあった。僕の不手際もあったんですけど、そこで捕手が気を利かせてくれて1つ間を取りに来てくれました」

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年4月8日のニュース