今永昇太が語る対大谷翔平の2打席 カギは本拠特有の風「右翼に大きいのを打たれる分にはリスクが低い」

[ 2024年4月8日 10:55 ]

ナ・リーグ   カブス8-1ドジャース ( 2024年4月7日    シカゴ )

試合後に会見するカブス・今永(撮影・杉浦 大介通信員)
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 カブスの今永昇太投手(30)が7日(日本時間8日)、本拠地で行われたドジャース戦に先発登板。4回を投げ2安打無失点3奪三振で相手に二塁も踏ませない文句なしの投球を披露したが、試合が4回裏1死一、三塁の場面から雨天中断となり、2時間51分後に再開されたことを受け、そのまま無念の降板となった。ドジャースの大谷翔平投手(29)を2打数無安打に抑えるなど、メジャーデビューから2試合連続で勝ち投手の権利を得るまであと1回だったが、冷たい雨に泣く結果となった。それでもチームは8-1で快勝し、ドジャースに2勝1敗で勝ち越した。

 注目された大谷との日米通じて初の対決は、力でねじ伏せた。初回1死無走者、カウント3-2から3球続けてファウルとされた後だ。内角高めにこの日最速の94・4マイル(151・9キロ)速球を投げ込み、大谷のバットが空を切った。気温9度の寒さで雨もパラつく中、この日も日本時代と同じ半袖姿で熱投。力勝負で奪った空振り三振に本拠地スタンドから大歓声が上がった。さらに、3回2死無走者で迎えた2度目の大谷との対戦も、91・2マイル(146・7キロ)直球で三邪飛に抑えた。大谷に投じた全11球のうち8球が直球という真っ向勝負で、今永ここにありを強烈にアピールした。

 日米通じて初対決となった大谷は2打数無安打に抑えて快勝。それでも今永は「本当にスイングも非常に凄いですし、バッターボックスに立つと凄く身体も大きかったですし、凄く威圧感がある選手だなと思いました。豪快なスイングですし、今日も当たればホームランになる紙一重のところだった。今思い返してみても本当に凄いスイングだったなと思います。(対戦を)楽しめたという気持ちはないですけど、彼を抑えることがチームが勝つ1つのプロセスなので、彼を抑えた上で勝てて良かったなと思います」と大谷の印象について語った。

 ミシガン湖から強い季節風が吹き「ウインディー・シティー(風の街)」と呼ばれるシカゴ。大谷を抑えられたポイントとしては「風がライト方向に打つには逆風だったので、ライトに大きな当たりを打たれても、大丈夫。風があるのでライトに大きなのを打たれる分には、まだリスクの方が低いかなと思ったので、真っ直ぐを引っ張られてもいいかなという気持ちで最後、高めに投げましたね」と本拠特有の風を使った攻めをしたと説明した。

 また「(ストライク)ゾーンに残る変化球は大谷選手のバットの軌道からすれば、ホームランゾーンに打てるスイング軌道なので。でも、どこかしらで投げておかないと、真っすぐも変化球も両方打つ技術を持った選手なので、今投げられるボールのタイミングを見計らって、何とか一択を二択にできるように投げた感じですね」と投球の意図を明かした。

 試合前の分析映像から「大谷選手の場合はインコースのボール球までホームランにする技術はありますし、インコースの低めも左中間に打っている映像をたくさん見てきた」と説明。その上で「とりあえず質のいい真っすぐをどれだけ投げ込めるかだと思う。それを最後はバッターが上回るか、上回れないかの違いだと思う。自分が今出せる最善策を選択してあとはどうなるかというところ。今日は質のいい真っすぐを投げられたのは良かった」と振り返った。

 さらに初回の空振り三振の場面については「僕がどこに投げても大谷選手は必ず自分のスイングができるなと感じたので、アウトコース低めに投げてもインコース高めに投げても、スプリットがいいところに決まったとしても、大谷選手はフォームを崩さずに打てる感覚はあったので。正直打ち損じ待ちじゃないですけども、自分がいいところに投げて彼が上回ってしまったらこっちとしてはなすすべない。初回ですし、自分のいいところを出せばいいと思って投げ込んでいきました」と話した。

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