広島・田村 4番抜てきに応えた!初打席、初スイングで今春チーム1号

[ 2024年2月18日 05:45 ]

練習試合   広島4―0ロッテ ( 2024年2月17日    コザしんきん )

<練習試合 広・ロ>初回、田村は先制2ランを放つ(撮影・平嶋 理子)
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 広島・田村俊介外野手(20)が17日、今春初の対外試合だったロッテとの練習試合でチーム1号を放った。4番に指名され、初回の初打席初スイングで右翼へ鮮やかな先制2ラン。右翼守備でもフェンス際への邪飛を好捕するなど、攻守で存在感を発揮した。侍ジャパンにも選出された高卒3年目のホープ。外野の定位置獲りへ、期待通りの好発進だ。

 ポスト西川龍馬の世評はダテじゃない。初回2死からゴロで一、二塁間を破った小園を一塁に置き、田村がロッテ・東條の甘い真っすぐを強振。快音を発し、放物線を描いた打球は、コザしんきんスタジアムの右翼芝生席に吸い込まれた。

 「しっかりしたスイングで本塁打が出たので、いいスタートが切れました。自分のポイントで打てたし、やってきたことができたかなと思います」

 4番に指名された今春初の対外試合の初打席、カウント1―1から初スイングで仕留めた。チーム1号となる右越え先制2ラン。新井監督から昨季「泳いでもいいから前(のポイント)で打て」と指導され、練習してきた成果を結果で示した。

 右翼守備でも見せ場をつくった。2―0の5回無死一塁で、松川が放ったスライス回転の邪飛をフェンス際まで追いかけてジャンプ一番好捕。「守備は下手」と謙遜しても、衝突を恐れぬアグレッシブなプレーには大きな拍手が起きた。

 1軍出場わずか10試合、通算22打数8安打ながら、侍ジャパン・井端監督がその打撃センスにほれ込み、3月6、7日の欧州代表との強化試合に初選出。注目度が一気に高まっても、20歳は何事もなかったかのように平然と振る舞う。

 「プレッシャーは全然感じていない。侍ジャパンでも変わらず、自分のやるべきことをやりたいと思います」

 新井監督は「打席の中で落ち着きがある。去年の経験が自信になっていると思う」と目を細める。4番抜てきには「一歩ずつ着実に力を付け、自信を付けてもらえばと思う。ただ、若手は一気に跳ね上がる可能性を秘めているからね。(鈴木)誠也みたいに」。若くして主砲を務めたOBメジャーリーガーの名前を挙げて期待した。

 「他の外野手の方も結果を出している。僕だけが打っている訳じゃないですし、まだまだ争いの中なので、続けてもっと結果を出せるようにしたい」

 快音が途切れた2打席目以降の打撃に反省を忘れない20歳。外野の定位置獲りへ期待通りの好発進でも、ホープは浮かれず一心不乱に高みを目指す。(江尾 卓也)

 《広島・鈴木誠也の3年目VTR》
 登録が内野手から外野手へ変更。15年3月27日のヤクルト戦に「1番・右翼」で初の開幕スタメンを果たした。5月9日の阪神戦では自身初の満塁弾を放ち、6月以降は中軸を務めるなど一度も2軍落ちせずプレー。通算97試合で打率.275、5本塁打、25打点の成績を残し翌16年の“神ってる”活躍につなげた。

 ◇田村 俊介(たむら・しゅんすけ)2003年(平15)8月25日生まれ、京都府出身の20歳。愛工大名電では1年春からベンチ入り。3年夏は投手兼一塁手で甲子園出場し、本塁打を放つも初戦敗退。高校通算32本塁打。21年ドラフト4位で広島入り。2年目の23年開幕戦に代打でプロ初出場。1軍通算10試合で打率.364。1メートル78、97キロ。左投げ左打ち。

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