楽天・清宮虎多朗 159キロで虎斬り1回零封 育成6年目の秘密兵器 13球全て直球155キロ超え

[ 2024年2月18日 05:30 ]

練習試合   楽天3―4阪神 ( 2024年2月17日    宜野座 )

<神・楽>2番手の清宮は1イニングを無失点に抑える(撮影・篠原岳夫)
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 360度埋め尽くした阪神ファンを、楽天の育成右腕・清宮(せいみや)が、自慢の剛速球でどよめかせた。3回から2番手で登板し、堂々の3者凡退。「カウントよく進められ、腕も全力で振れた」と汗を拭った。

 名は虎多朗(こたろう)。観衆1万4000人の大半は阪神ファンで「こんなにたくさんの観客の前で投げたことはあまりなかった」と話したが、虎党が多くて朗らかに!?全13球が直球でオール155キロ超え、平均156・8キロの剛速球で虎退治だ。先頭・木浪の3球目にこの日最速の159キロを計測し、最後は内角高めの156キロで空振り三振。ミエセスは157キロで右飛、近本は156キロで一ゴロに封じ、視察した西武の佐野泰雄スコアラーも「あの球でゾーン内に投げられたら打てない」と驚がくした。

 18年育成1位で入団。2年目の20年に最速150キロに達したが、21年2月に右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。その後の徹底したウエートトレが飛躍の原点だ。体重85キロから104キロまでの19キロ増に伴い、昨夏にイースタン・リーグで自己最速の161キロを計測。22セーブで同リーグのタイトルに輝いた。

 13日のロッテ戦では救援陣が計9四死球の大乱調。清宮も2四球を与え、今江監督から「中継ぎ陣は残念。ゾーン内に投げ込めないとマウンドに立つ資格も難しくなる」と叱責(しっせき)された。その4日後、昨季の日本一球団相手に見返した23歳に指揮官は「気持ちも出ていたし、非常に良かった」と称えた。憧れは中日のマルティネスで「あんな圧倒的な投球ができるようなピッチャーになりたい」と清宮。背番号135の秘密兵器が、圧巻の剛速球で支配下登録へ前進した。(花里 雄太)

 ≪平均球速“中日・マルティネス超え”≫昨季の直球の平均球速1位は、ロッテ・佐々木朗の159・1キロ。2位は中日・マルティネスの155・7キロで、この日の清宮の平均球速156・8キロは1試合限りの数字だが1・1キロ上回った。ドジャースへ移籍したオリックス・山本は153・0キロ。上位10人のうち、リリーフ投手が7人ランクインした。

 ◇清宮 虎多朗(せいみや・こたろう)2000年(平12)5月26日生まれ、千葉県八千代市出身の23歳。幼稚園の年長から野球を始め、八千代松陰中では2年時に全国大会に出場した。八千代松陰では2年秋からエースも甲子園出場なし。18年育成ドラフト1位で楽天に入団。1メートル90、84キロ。右投げ左打ち。

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