阪神ドラ5・戸井 天理高の大先輩・門田博光さんに負けない活躍誓う「目指さないといけない選手像」

[ 2023年1月26日 05:15 ]

天理時代の阪神・戸井
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 虎の門田になる!阪神・ドラフト5位の戸井零士内野手(18=天理)が鳴尾浜球場で25日、高校の先輩で24日に死去が判明した門田博光氏に負けない活躍を誓った。プロ野球歴代3位の通算567本塁打を記録し、44歳まで現役を続けた孤高のスラッガー。偉大な足跡を追いかけ続ける。

 小雪が舞う鳴尾浜球場で偉大な大先輩の在りし日の面影をしのんだ。門田氏は球史に記録と伝説を残して74歳で天国に旅立った。一方、プロの扉が開いたばかりの戸井は18歳。天理高の先輩、後輩とはいえ、直接的な接点はない。ただ、あの魂のスイングだけは脳裏に焼き付いていた。

 「凄い選手だとは知っていた。力強いスイングを心がけてやられているんだなと思いました。ミートがうまい印象が大きい。(門田氏の話をしてくれたのは天理高の)大西先生という、野球と書道の先生でもあった方」

 天理時代に恩師から見せてもらった映像に衝撃を受けた。全打席「ホームランを狙う」という豪快なスイング。プロ野球歴代3位の567本塁打を誇ったレジェンドの突然の訃報に接し、改めてその偉大さを知った。

 「(大西先生は)昔の選手は(肩の)上に(トップの位置が)ある人があまりいないとおっしゃっていた。トップの位置がいい位置にあると。その位置を自分のものにできたらいいなと思います」

 今でも門田打法は自身の原点となる“生きた教材”だった。打者として左右の違いはあるものの大打者の打撃フォームを参考にバットを振っている。「トップの位置というのを考えながら強いスイングを心がけていきたい」。また、孤高のスラッガーでも高校時代は1本の本塁打も打てなかった。すべては努力の結晶だったことも知る。その門田イズムも受け継いだ。

 新人合同自主トレ初日となった9日からは、自主練習の一環として夜間練習を開始。その連日の夜間特打は日課となっている。高校通算13本塁打の若虎は努力する才能を兼備。訃報から一夜明けて、球史に名を残した名選手の背中を追うことを誓った。

 「(門田氏は)目指さないといけない選手像ではあります。天理高校のOBとして自分も活躍できるように頑張っていきたい。長い野球人生を送りたい。ケガに一番気をつけてやっていきたい」

 44歳まで現役を続けた大先輩のように息の長い選手を目指す。明確な目標は決まった。くしくも同じ44番の番号を背負う期待の新人。覚悟を決め、大打者への第一歩を踏み出す。(山本 浩之)

 ◇戸井 零士(とい・れいじ)2005年(平17)1月18日生まれ、大阪府松原市出身の18歳。市立中央小時代から松原ボーイズに所属。松原第三中1年時に侍ジャパンU―12の一員としてW杯に出場し首位打者を獲得。天理では1年秋からベンチ入り。2年春、3年春夏の3度甲子園出場。高校通算13本塁打。1メートル81、83キロ。右投げ右打ち。

《関西元気文化圏賞「特別賞」で「人間性磨いていく」》
 戸井はこの日、大阪市内で「関西元気文化圏賞」の贈呈式に出席した。母校の天理と、昨夏の奈良大会決勝で対戦した生駒との合同で「特別賞」を受賞した。新型コロナ感染者が多数出た影響で生駒がベストメンバーを組めず、天理は大勝で甲子園出場を決めたが、勝利後にマウンドで歓喜の輪を作らずに整列。本大会にも生駒ナインを招待したスポーツマンシップが高く評価された。戸井は「うれしい。人間性の部分も磨いていきたい」と語った。

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